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Shimoda
登録日: 2006.12.12 記事: 3444 所在地: 長野県朝日村
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日時: Tue Jul 08, 2014 6:09 am 記事の件名: 2014年4月19日21時31分54秒の大火球とUFOAnalyzerによる解析 |
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少し前になりますが、東北から北海道にかけて明るい火球が目撃されていました。目撃者がそれほど多くなかったので、あまり注目していなかったのですが、複数地点から画像が撮影されていることがわかりました。
SonotaCoネットで撮影されたものではありませんが、写真画像からUFOAnalyzerによって解析を行いましたので、紹介します。
解析方法については、別途hkawaさんから解説してもらいます。その方法が正しいかを含めて、皆さんで検討していただければ幸いです。
青森県八甲田山から微速度撮影中に撮影された画像。
https://www.youtube.com/watch?v=hS4XZfdhjA4
札幌からドライブレコーダーによって撮影された画像。
https://www.youtube.com/watch?v=27LWUQCtJGU&feature=youtu.be
秋田市から撮影された画像。
https://twitter.com/nekonekomaron/status/457550277688561664
以上のうち、八甲田と秋田からの画像について、撮影された方とコンタクトを取ることができ、撮影場所について情報を得ました。八甲田についてはストリートビューで写っている木まで特定できました。
ただし、火球の出現時刻については、画像の記録時刻以外によりどころがなく、ある程度の誤差を含んでいます。
どちらも消滅点まで撮影できていませんでしたが、八甲田の画像は最大光度の部分を含んでいると考えられ、雪原が明るく照らし出されていて、満月級の火球であったことがわかります。
対地経路は岩手県遠野市上空106kmで発光し、北北西方向に流れて青森県八甲田山上空で爆発的に増光しています。八甲田の画像で視野外に出るところで、高度は47kmでした。
継続時間はドライブレコーダーの記録や、八甲田の露出中断時間(1秒らしい)の経路の長さから、約5秒と推定されますので、対地速度は30km/s程度になります。
なお、示された光度と速度は任意に入力してあるため、架空のものです。
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最終編集者 Shimoda [ Tue Jul 08, 2014 4:00 pm ], 編集回数 4 回 |
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hkawa
登録日: 2014.02.21 記事: 1784 所在地: Ina, Nagano
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日時: Tue Jul 08, 2014 10:43 am 記事の件名: |
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静止画画像jpegの解析は以下の手順で行いました。
1.aviファイルの作成
2.UA2プロファイルの作成
3.始点・終点を計測、R90形式ファイルの作成
aviファイルの作成には、JPG2AVIを利用しました。作成したファイルは”M日付_時刻.avi”という名称で保存しました。
UA2でaviファイルを読み込み、「MakeP.bmp」にて*P.bmpファイルを作成します。
次に「◎area-mask 」で不要部分のマスクを作成後、「auto」の「smask」にて恒星マスクを作成、「saveN」で保存します。
これで準備が出来たのでMSリンクを作成・調整し、プロファイルを保存します。
*酸ヶ湯からの画像は全体で調整後、軌跡付近以外をマスクしてリンク数220でdpix 0.268まで調整してみました。
☆なお、今見直したら秋田の方のリンク数139でdpix 0.326とあまり良くありませんでした。再調整が必要?
始点・終点はまず「add a obj」で仮のオブジェクトを作成し、「click1」,「click2」で画像上をクリックして計測しました。
仮オブジェクトのクラスを”_E_etc”にして「>Mcsv」で csvファイルに出力します。
R90形式ファイルでは、観測時刻と観測値を設定、最後に計測したcsvからRa1、Dec1、Ra2、Dec2を移します。
*酸ヶ湯からの画像は開始と爆発の2枚をまとめてaviファイルとしたら、画面全体が真っ白になって計測が困難となりました。
そこで、まず一枚目のみのaviファイルを元にMSリンク・プロファイルを作成しました。
2枚目の計測では*P.bmpファイルをすり替えて、このときついでに太い軌跡の真ん中になるように補助線を引いておいて計測しました。
ご検討よろしくお願いいたします。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Tue Jul 08, 2014 6:58 pm 記事の件名: |
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hkawa wrote: | 1.aviファイルの作成
2.UA2プロファイルの作成
3.始点・終点を計測、R90形式ファイルの作成 |
R90用データの作成にUA2を利用したということで、精度を除けば原理的には特に問題ないと思います。
誤差要因は 時刻誤差と 画面の解像度に依存したピクセルの選択による誤差と思います。
今回は時刻の精度が不明のようなので全体の精度も不明ということにならざるを得ないですが....
UA2での手動測定は解像度の影響を直接受けてしまうので、このような利用法は想像していませんでした。静止画は拡大してそれを手動で測定した方が精度が出る場合も多いと思います。 いずれにしろ何事も自己責任でお願いしますが、各種工夫をされるのは素晴らしいことと思います。
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Shimoda
登録日: 2006.12.12 記事: 3444 所在地: 長野県朝日村
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日時: Tue Jul 08, 2014 9:47 pm 記事の件名: |
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SonotaCoさんコメントありがとうございました。とりあえず解析での大きな間違いはないようですので、ほっとしました。
なお、解析方法を考えるにあたって、以前ts007さんに教えていただいた方法を参考にしました。本当にありがとうございました。
今回の火球は、2か所とも星空を専門に撮影されている、非常に解像度の高い写真からの測定でしたので、助かりました。ちなみに、八甲田の画像は4106×2736pic、秋田の画像は4928×3264picでした。
出現時刻については、カメラの時刻精度も確認してもらいましたが、何分2か月半も経過していますので、ほとんど無意味と判断しました。画像の時刻は両者で30秒ほどの違いでした。
撮影地点については1秒以内で再現できていると思います。
解析結果のCSVファイルとTrailMapを添付します。
今まで独自に測定ソフトを作成して、手動で測定していましたが、どうしても解析能力が低く、思うようにいきませんでした。UA2の本来の使い方ではないと思いますが、測定に使用させていただければと思います。
今後、たとえば岡山天体物理観測所のOAOスカイモニターの画像や、もっと解像度の低い画像を解析する必要も出てくると予想しています。その場合には当然もっと精度は悪くなることが予想されますが、火球の軌道の一端がわかればと考えています。
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R90-Hakkoda20140419.csv |
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hkawa
登録日: 2014.02.21 記事: 1784 所在地: Ina, Nagano
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日時: Wed Jul 09, 2014 1:02 am 記事の件名: |
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解析時の画素数を書き忘れていました。酸ヶ湯画像はaviファイルにする前に1920x1080pixelに変換しています。元画像の幅を1920にし、高さはトリミングで1080としました。
秋田の方は高解像度元画像を使うのを忘れていて1024x678のものを元に計測していましたm(__)m;。
→酸ヶ湯の方のMSリンク画像だけ、リンク十字やSD表示が小さいと思っていましたがこれが原因でした。
Mask Editor で「x1」に加えて拡大ズームができると助かるのですが。(というか、4Kには必須のような...)
なお、「静止画は拡大してそれを手動で測定した方が精度が出る場合も多い」とのことですが、これはどのような方法を取れば良いのでしょうか?
*以前よりShimodaさんから恒星位置を元にレンズの歪曲補正を行い画像上でRA,DCを計測せよ、という指令を受けていたのですが途中で挫折していました。(歪曲補正の算出方法が判りそうにありません)
☆静止画では結局数秒〜数十秒の時刻精度となってしまうので地上経路計算には粗すぎで測定誤差を追求しても??
でもRA, DCが正確であれば意義はあるのでしょうか?? (ここらへんも全く判っていないのに無茶してすみませんm(__)m )
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Wed Jul 09, 2014 7:24 am 記事の件名: |
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hkawa wrote: | なお、「静止画は拡大してそれを手動で測定した方が精度が出る場合も多い」とのことですが、これはどのような方法を取れば良いのでしょうか?
☆静止画では結局数秒〜数十秒の時刻精度となってしまうので地上経路計算には粗すぎで測定誤差を追求しても??
でもRA, DCが正確であれば意義はあるのでしょうか?? (ここらへんも全く判っていないのに無茶してすみませんm(__)m ) |
UFOシリーズには色々裏技のような機能がありますが、よく調べて使われているので、感心しています。 UFOCaptureでITOさんが音声トリガを使ったRGB3カメラの同時観測を成功させたり、さぎたりうすさんが トレイルマップで 天頂引力の作用を目で見て分かる例を作られたことなど思いましました。
静止画の測定は昔から写真の測定でやられており、画面に比べて桁違いに解像度の高いフィルムや印刷物の上でマイクロメータ単位まで読んで恒星の位置と対象の位置を決定していると聞いたことがあります。最近ではさすがにPC上で星図を拡大してい読んでいると思います。
UA2は最新版で 3840x3400 までに対応したましたが、基本的には自動ツールなので縮小画像上での手動操作は今の所考えていません(公開直前のUFOCaptureHD2-4K対応板でエリアマスクの1/2縮小画面上での編集をサポートしますが....)。手動測定用には専用のツールが開発されるべきと思います。
時刻誤差は直接RA DECの値そのものの誤差につながります。地球の自転は24時間で360度ですから、方向によりますが、4分の時刻誤差で1度の方向誤差、30秒だと最大0.1度程度の誤差になります。 (分かりにくくてすみません、落下位置を求める上で、正しい方位仰角が必要なわけげ、同じ方位仰角のRA DECが時刻によりズレる という意味です。 輻射点のRA DECは RA,DEC上での計算なので時刻誤差と無関係です)
ちなみに、今回の例で、仮定時刻が1分異なるとどの位結果が違うかは 私も見てみたいです。 それがわかれば一応の誤差の推定になると思います。
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hkawa
登録日: 2014.02.21 記事: 1784 所在地: Ina, Nagano
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日時: Fri Jul 11, 2014 5:34 pm 記事の件名: |
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検証してみました。
1)画像の再測定を行いました。
秋田の分、高解像度のjpegを元にして再計測。
八甲田の分は画像9秒違い(コマ間隔)を考慮し2つの画像で個々にMSリンクを調節し、1枚目の終点は爆発の円を描いてその中心を計測、2枚目の始点も同様にし再計測しました。
(参考:Hkd_RA_AZ.jpgの計測用補助図形)
時刻は八甲田Timelapseが露出8秒、1秒あきということで以下のように仮定しました。
秋田:213200
八甲田1:213200
八甲田2:213203
<結果>前回示した対地経路と最大で170mほどのずれでした。(参考:StartPoint.JPGのピンクが前回計算経路です)
これは、恒星リンク移動とそれぞれの計測のズレ、さらに撮影時刻の変更分の積み重ねの結果ということだと思います。(R90-Hakkoda20140419a.csv)
2)上記結果のR90形式csvで仮定時刻を1分ずらしてみました(R90-Hakkoda20140419b.csv)
<結果>Shift1min.jpgに示したように、地上経路はあまり変わりません。(北緯35°での自転による地表速度380m/sを考えると大分ずれると誤解していましたが違いました。)
発光開始点で約700m移動しただけです。(StartPoint.JPG: カシミール3Dで計測)
参考:UO2にて表示されるRA,DEC,高度をまとめました。 (LonLatAlt.jpg) <注>前回と今回では画像上の計測点位置を変えています。
▲心配になったのでもう少し検討しました。
八甲田観測点から見た発光点方向では、ざっくり見積もってRA 1時間20分あたり方位25°位でした。(Hkd_RA_AZ.jpg) →1分あたりAZが0.3125°
八甲田観測点から発光点までの距離は約130km よって 130km × sin 0.3125° =0.709km
ということで大体700mのずれで良かったようです。
今回の場合、観測点の配置から秋田での計測は、地上経路への影響は少ないと思います。(高度には効いてくる)
また、八甲田からの観測ではほぼ南方向で最も影響がでそうでしたが、この程度のずれでした。
(考えてみると、秋田と八甲田は地表で同時に回転しているので上記の地表面速度云々は関係なかったのでした)
◎個人的には「この程度」という感想でしたが、この「地上経路で700mのズレは大したこと無い」という感覚自体が妥当な物かちょっと心配です。
☆思い出しました、南部で探し回った(これは秘密ですが、半日で飽きました)ことを考えると充分に大きな差ですね??(→さらに、高度の差も!)
*UFO Analyzerは常用のカメラレンズ(超広角も含め)の画像からほぼ自動の恒星リンクを作成・補正しつつRA, Decの計測を実現した唯一無二の画期的なツールだと思います。
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R90-Hakkoda20140419a.csv |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Fri Jul 11, 2014 8:11 pm 記事の件名: |
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hkawa wrote: | 検2)上記結果のR90形式csvで仮定時刻を1分ずらしてみました(R90-Hakkoda20140419b.csv)
<結果>Shift1min.jpgに示したように、地上経路はあまり変わりません。(北緯35°での自転による地表速度380m/sを考えると大分ずれると誤解していましたが違いました。)
発光開始点で約700m移動しただけです。(StartPoint.JPG: カシミール3Dで計測)
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興味深い解析結果 ありがとうございます。
1分の時刻の差は地球の向きの0.25° 程の差ですから、同じRA DEC から 0.25°程度の差がある AZ EV が計算され、それと観測値から距離で 経路位置の差になるわけで、観測点相対で位置が決まるので、地図上ではそれほど大きな差にならないということですね。、
添付してくださった a と b で az ev の差を見てみると ちゃんと その程度の差になっているようです。
この差が大きいかどうかは 目的によりますが、大体の誤差の感じがつかめて大変参考になりました。ありがとうございました。
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