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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12671 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Wed Nov 30, 2005 10:54 am 記事の件名: スプライト画像処理講座その2 |
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次にやることは、
(S-03)各フレームの静止画から背景の明るさを引き、発光部分のみの静止画を作る。
(S-04)発光部分の静止画を奇数フィールドと偶数フィールトに分解したフィールド毎静止画を作る
この2つです。
(S-03)は以下の手順でやります。
(S-03-1)31フレーム静止画、32フレーム静止画、平均明度画像の3つをPhotoshopで開く
(S-03-2)平均明度画像の明るさを調整して、雷光の入っていない画像の背景とほぼ同じ明るさになるようにします。
実は平均明度画像はUFOCaptureの中でデジタルフィルタで生成していて、そのフィルタのゲインが厳密には1.0から少しずれていて、bmp画像にする際の丸め誤差などがあり、単純な引き算の場合には平均明度画像の明るさを調整する必要があるのです。より厳密な方法もあるのですが、ここではPhotoshopでできる簡便方を紹介します。
この場合には32フレームの背景とおよそ同じ明るさになるように少し黒レベルを上げ暗くします。
(S-03-3)次に31および32フレーム画像の各々に対して、平均明度画像を重ねて新たなレイヤにします。
Photoshopでは矢印のモードにして平均明度画像をポイント、ドラッグしてこれを31フレーム画像の上にドロップして、重ねレイヤー2として位置を合わせます。
位置あわせは全体に対してのスナップ機能を使うと簡単です。
(S-03-4)レイヤー2の効果を「差の絶対値」にします。
本当は単純な引き算があると良いのですが、最近のPhotoshopではなくなってしまったようです。
(S-03-5)レイヤーメニューで画像を統合します。
これで、背景を引いたグラデーションのない発光部分画像が出来た筈です。
(S-04-1)次に発光部分画像について、フィルタのビデオ、インターレース解除で、奇数ラインを削除し、これを xxxe.bmpとして保存します。
(S-04-2)インターレース解除前の発光部分画像に戻し、今度は偶数ラインを削除し、これをxxxo.bmpとして保存します。
この処理を31フレームと32フレームの発光部分画像についてやり、計4枚のbmpを作ります。
23:52:13 では 31フレームでは 偶数フィールドにしか発光がなく、32フレームでは奇数フィールドが発光の殆どです。
従って、このクリップではフィールドの順序は奇数フィールドが時間的に前なわけです。(システムによって稀に逆のものもあります)
で、ここまでの結果が以下です。
次は、この処理を全クリップについてやり、その結果をジッと見つめることです。続編はまたいずれ。
説明: |
23:52:13 R1 31フレーム偶数フィールド 発光部分画像(全体がやや明るいのは雷光が入っているからです) |
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説明: |
32フレーム奇数フィールド発光部分画像(それにしても、1/60秒で随分違いますね) |
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58.79 KB |
閲覧数: |
6211 回 |
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最終編集者 SonotaCo [ Wed Nov 30, 2005 2:13 pm ], 編集回数 1 回 |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12671 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Wed Nov 30, 2005 12:26 pm 記事の件名: スプライト画像処理講座その3 |
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ゆっくり暇な時にやろうと思っていたんですが、やり始めると止まらない こまった性分です。
さて、23:52:13の3台のカメラによる31,32フレームを処理すると計12枚の静止画でできますが、
その中で、今回のイベントでは有効なスプライトが映っているのは以下の5枚だけでした。
NO-31o,31e
R1-31e,32o
IRC-32o
どうやらNOのカメラのフレームタイミングが他より若干遅かったようです。
じっとこの5枚を睨みます。
問題は、鍵となるIRC-32oが1枚しかなく、この中にすべてのイベントが含まれいるのに対して、NOとR1は2つの静止画に分かれていることです。
で、思ったのは、今回はNOとR1もすべてのイベントを含む1枚の画像にして、比較するしかないのではないかということです。
(将来は外部同期のかかるカメラを使ってやりたいですね)
で、(S-05)NOについては31o,31eを比較(明)で最大値をとる容量で重畳し、R1については31eと32oを重畳して、
それぞれ全イベントを含む1枚の画像 NO-31oe と R1-31eoの2枚にしました。以下がその画像です。
説明: |
NOフィルタの31oと31eの重畳画像NO-31eoです。 |
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説明: |
R1の31eと32oの重畳画像 R1-31eoです。 |
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ファイルサイズ: |
68.93 KB |
閲覧数: |
6200 回 |
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説明: |
これが唯一の400-680nmバンドの画像 IRC-32o です |
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ファイルサイズ: |
51.29 KB |
閲覧数: |
6200 回 |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12671 所在地: 139.67E 35.65N
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12671 所在地: 139.67E 35.65N
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12671 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Wed Nov 30, 2005 2:02 pm 記事の件名: 振り返って、 |
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今回の実験の結果は、ラフな方法でもわかるような差では無かったということだと思います。かといって、グレーティングではテンドリルなどは明度が足りそうにありません。
スペクトル観測は甘くない です。
フレームタイミングが揃っていないカメラ間で過渡現象を比較しようとしたこと自体が無理筋だったのですが、
それ以外にもカメラ間のゲインの差の問題も深刻でした。
ゲインの問題だけであれば、幸い恒星が映っているので、その星のスペクトルを調べて、CCD感度と照らし合わせながら、ゲインを補正することで数値として明度比較をすることができるようになると思います。しかし、テンドリルの発光タイミングが帰線時間に入っていた可能性などを考えるとやはり同期のないカメラ間での比較は無謀なような気がします。
WAT-100Nが外部同期を掛けられないのが残念です。
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ITO
登録日: 2004.08.09 記事: 1306 所在地: 東京都杉並区浜田山
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日時: Wed Nov 30, 2005 10:03 pm 記事の件名: お疲れさまでした. |
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SonotaCo さん、お疲れさまでした.
スプライトの画像処理の実際のお話.とても参考になりました.こちらでもこの方法をまねてやってみようと思います.
それにしても「フィルター」も奥が深いですね.いろいろな波長を選択的に取り出す事が可能になるので、あちらこちらのカタログをインターネットで眺めては策を練っております.夢が拡がりますね.何か面白いアイデアがあればまた教えて下さい.
以前読んだ文献では「テンドリル」やスプライトの下部(これもテンドリルの意味?)は白色や青色をしているとあったのですが、今回の観測では「テンドリル」は赤いようですね.RGB合成でも赤色で写っています.これは大きな成果だと思います.
これからもよろしくお願いいたします.
ITO
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