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11/27-28 新潟県のスプライト/赤外域カットフィルター
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12671
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Wed Nov 30, 2005 10:54 am    記事の件名: スプライト画像処理講座その2 引用付きで返信

次にやることは、
(S-03)各フレームの静止画から背景の明るさを引き、発光部分のみの静止画を作る。
(S-04)発光部分の静止画を奇数フィールドと偶数フィールトに分解したフィールド毎静止画を作る
この2つです。

(S-03)は以下の手順でやります。
(S-03-1)31フレーム静止画、32フレーム静止画、平均明度画像の3つをPhotoshopで開く
(S-03-2)平均明度画像の明るさを調整して、雷光の入っていない画像の背景とほぼ同じ明るさになるようにします。
実は平均明度画像はUFOCaptureの中でデジタルフィルタで生成していて、そのフィルタのゲインが厳密には1.0から少しずれていて、bmp画像にする際の丸め誤差などがあり、単純な引き算の場合には平均明度画像の明るさを調整する必要があるのです。より厳密な方法もあるのですが、ここではPhotoshopでできる簡便方を紹介します。
この場合には32フレームの背景とおよそ同じ明るさになるように少し黒レベルを上げ暗くします。
(S-03-3)次に31および32フレーム画像の各々に対して、平均明度画像を重ねて新たなレイヤにします。
Photoshopでは矢印のモードにして平均明度画像をポイント、ドラッグしてこれを31フレーム画像の上にドロップして、重ねレイヤー2として位置を合わせます。
位置あわせは全体に対してのスナップ機能を使うと簡単です。
(S-03-4)レイヤー2の効果を「差の絶対値」にします。
本当は単純な引き算があると良いのですが、最近のPhotoshopではなくなってしまったようです。
(S-03-5)レイヤーメニューで画像を統合します。
これで、背景を引いたグラデーションのない発光部分画像が出来た筈です。

(S-04-1)次に発光部分画像について、フィルタのビデオ、インターレース解除で、奇数ラインを削除し、これを xxxe.bmpとして保存します。
(S-04-2)インターレース解除前の発光部分画像に戻し、今度は偶数ラインを削除し、これをxxxo.bmpとして保存します。
この処理を31フレームと32フレームの発光部分画像についてやり、計4枚のbmpを作ります。

23:52:13 では 31フレームでは 偶数フィールドにしか発光がなく、32フレームでは奇数フィールドが発光の殆どです。
従って、このクリップではフィールドの順序は奇数フィールドが時間的に前なわけです。(システムによって稀に逆のものもあります)
で、ここまでの結果が以下です。

次は、この処理を全クリップについてやり、その結果をジッと見つめることです。続編はまたいずれ。



235213R1-31e.jpg
 説明:
23:52:13 R1 31フレーム偶数フィールド 発光部分画像(全体がやや明るいのは雷光が入っているからです)
 ファイルサイズ:  66.43 KB
 閲覧数:  6211 回

235213R1-31e.jpg



235213R1-32o.jpg
 説明:
32フレーム奇数フィールド発光部分画像(それにしても、1/60秒で随分違いますね)
 ファイルサイズ:  58.79 KB
 閲覧数:  6211 回

235213R1-32o.jpg




最終編集者 SonotaCo [ Wed Nov 30, 2005 2:13 pm ], 編集回数 1 回
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12671
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記事日時: Wed Nov 30, 2005 12:26 pm    記事の件名: スプライト画像処理講座その3 引用付きで返信

ゆっくり暇な時にやろうと思っていたんですが、やり始めると止まらない Embarassed こまった性分です。

さて、23:52:13の3台のカメラによる31,32フレームを処理すると計12枚の静止画でできますが、
その中で、今回のイベントでは有効なスプライトが映っているのは以下の5枚だけでした。
NO-31o,31e
R1-31e,32o
IRC-32o
どうやらNOのカメラのフレームタイミングが他より若干遅かったようです。

じっとこの5枚を睨みます。
問題は、鍵となるIRC-32oが1枚しかなく、この中にすべてのイベントが含まれいるのに対して、NOとR1は2つの静止画に分かれていることです。
で、思ったのは、今回はNOとR1もすべてのイベントを含む1枚の画像にして、比較するしかないのではないかということです。
(将来は外部同期のかかるカメラを使ってやりたいですね)
で、(S-05)NOについては31o,31eを比較(明)で最大値をとる容量で重畳し、R1については31eと32oを重畳して、
それぞれ全イベントを含む1枚の画像 NO-31oe と R1-31eoの2枚にしました。以下がその画像です。



235213NO-31oe.jpg
 説明:
NOフィルタの31oと31eの重畳画像NO-31eoです。
 ファイルサイズ:  67.92 KB
 閲覧数:  6200 回

235213NO-31oe.jpg



235213R1-31eo.jpg
 説明:
R1の31eと32oの重畳画像 R1-31eoです。
 ファイルサイズ:  68.93 KB
 閲覧数:  6200 回

235213R1-31eo.jpg



235213IRC-32o.jpg
 説明:
これが唯一の400-680nmバンドの画像 IRC-32o です
 ファイルサイズ:  51.29 KB
 閲覧数:  6200 回

235213IRC-32o.jpg


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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12671
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Wed Nov 30, 2005 12:30 pm    記事の件名: スプライト画像処理講座その4 引用付きで返信

さて、いよいよ、バンドの違う画像の減算です。最も明瞭にテンドリルが映っているR1-31eoとIRC-32oの差分を取ってみます。
ITOさんはStera-Imageを使われたとのことで、その方が回転を含む位置合わせが簡単にできて良いと思いますが、ここではPhotoshopでできる範囲でやります。
やり方は
(S-06-1)IRC-32oをR1-31eoにドロップして、レイヤとし、その効果で差の絶対値を選びます。
(S-06-2)その状態でIRC-32oのレイヤを移動してスプライト位置が重なるようにします。
(S-06-3)その状態でIRC-32oのレイヤの色調補正->レベル補正をし、できだけ明るい部分が無くなるように調整します。
必要に応じて(S-06-2)(S-06-3)を繰り返します。こすると、明度の補正が同時にできているわけです。
最も暗くなったとき、それが差分、つまりこの場合は、680nm以上の波長をもつ赤外部分の画像になる筈です。
で、結果がすが、、、、、ななんと Exclamation 、、、、、何も無くなってしまいました Shocked
テンドリルがくっきりと浮かび上がることを期待したんですが........



235213R1-IRC.jpg
 説明:
あ、あれ? テンドリルは???
 ファイルサイズ:  93.19 KB
 閲覧数:  6198 回

235213R1-IRC.jpg


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登録日: 2004.08.07
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記事日時: Wed Nov 30, 2005 12:37 pm    記事の件名: スプライト画像処理講座(最終回) 引用付きで返信

原因は、なんと、400-680nmバンドの画像にも暗いもののテンドリルが映っていたことでした。
差分を取った時と同じ位に明度を上げた400-680nmバンドの画像を以下に掲載します。

----
なんと、「失敗の記録」になってしまいました。
見た目、テンドリルでは差があるような気がしていたのですが、全体の明度レベルの差が大きな要因だったようで、なんと、この例では、680nm以前と以後の差を出すことはできませんでした。本当に差がないのか、それともあるのか、混迷は深まりました。
ITOさんのご託宣のとおりでした Embarassed

時間的な差は有意ですが、波長の差は不明というのが今回の結論です。
ながいこと、駄文を掲げてすみませんでした。



235213IRC-32o-br.jpg
 説明:
 ファイルサイズ:  92.19 KB
 閲覧数:  6196 回

235213IRC-32o-br.jpg


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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12671
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Wed Nov 30, 2005 2:02 pm    記事の件名: 振り返って、 引用付きで返信

今回の実験の結果は、ラフな方法でもわかるような差では無かったということだと思います。かといって、グレーティングではテンドリルなどは明度が足りそうにありません。
スペクトル観測は甘くない です。

フレームタイミングが揃っていないカメラ間で過渡現象を比較しようとしたこと自体が無理筋だったのですが、
それ以外にもカメラ間のゲインの差の問題も深刻でした。
ゲインの問題だけであれば、幸い恒星が映っているので、その星のスペクトルを調べて、CCD感度と照らし合わせながら、ゲインを補正することで数値として明度比較をすることができるようになると思います。しかし、テンドリルの発光タイミングが帰線時間に入っていた可能性などを考えるとやはり同期のないカメラ間での比較は無謀なような気がします。
WAT-100Nが外部同期を掛けられないのが残念です。
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ITO



登録日: 2004.08.09
記事: 1306
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Wed Nov 30, 2005 10:03 pm    記事の件名: お疲れさまでした. 引用付きで返信

SonotaCo さん、お疲れさまでした.
スプライトの画像処理の実際のお話.とても参考になりました.こちらでもこの方法をまねてやってみようと思います.

それにしても「フィルター」も奥が深いですね.いろいろな波長を選択的に取り出す事が可能になるので、あちらこちらのカタログをインターネットで眺めては策を練っております.夢が拡がりますね.何か面白いアイデアがあればまた教えて下さい.

以前読んだ文献では「テンドリル」やスプライトの下部(これもテンドリルの意味?)は白色や青色をしているとあったのですが、今回の観測では「テンドリル」は赤いようですね.RGB合成でも赤色で写っています.これは大きな成果だと思います.

これからもよろしくお願いいたします.
ITO
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