前のトピックを表示 :: 次のトピックを表示 |
投稿者 |
メッセージ |
ITO
登録日: 2004.08.09 記事: 1306 所在地: 東京都杉並区浜田山
|
日時: Tue Jan 05, 2016 9:23 pm 記事の件名: パナソニック DMC-GH4 ローパスフィルターあり/なしの比較 |
|
|
パナソニック DMC-GH4 ローパスフィルターの影響 ー 流星編(1)
昨年末にパナソニック DMC-GH4 を購入したので,無改造品とローパスフィルター除去品の映り方や感度の比較を行っています. スプライトはなかなか出ないので流星をキャプチャーして比べてみました.
また同時に白黒CCDカメラ「Wat-902H2 Ultimate」も動かして参考として比較してみました.
【流星のキャプチャー数】 (表が乱れるかもしれません.ご容赦を...)
January 2-3 January 3-4 January 4-5
DMC-GH4 + Nokton25mmF0.95 無改造 12 (5) 30 (16) 28 (16)
DMC-GH4 + Nokton25mmF0.95 ローパスフィルター除去 29 (17) 51 (43) 58 (42)
Wat-902H2 + CBC12mmF0.80 16 (11) 41 (41) 47 (40)
( )内の数字はDMC-GH4 と Wat-902H2U の同じ視野で比べた場合のキャプチャー数です.DMC-GH4 + Nokton25mm の視野は Wat-902H2U + CBC12mm と比べて「左右が広く,上下が狭い」ので,同じ視野にするために両者の画像を(同一視野になるように)切り取って流星の数を数えたものです.
数字を見ると DMC-GH4 ローパスフィルター除去品がキャプチャー数が最も多く,続いて Wat-902H2U,DMC-GH4 無改造品の順になっています.
DMC-GH4 ローパスフィルター除去品はバックグラウンドノイズが少なく(夜空が均一に映る),小さな輝点でも区別が付きやすいため,小さくて淡い流星も拾う事が出来ると思われます,それに対し無改造品はノイズがやや多く,小さな流星はその中に埋もれてしまっているように見えます.
このあたりは下のピークホールド画像では均一化されているので判りづらいですが,実際のモニター面ではかなりの差があると思います.
また,ローパスフィルター除去品は白黒CCDカメラ Wat-902H2U に対してもほぼ同等か,少しだけ多い流星をキャプチャーしました.
感覚的には DMC-GH4 無改造品でも流星観測は出来ない訳ではありませんが,ローパスフィルター除去品と比べると雲泥の差! 小さな流星や人工衛星までキャプチャー出来るローパスフィルター除去品の感度はなかなか素晴らしいと思います.
無改造品,ローパスフィルター除去品でも UFO AnalyzerV2 v2.41 での解析には大きな問題ありませんが,時々解析中に「Warning!! Field Order may be invalid. Please confirm bbf setting」のエラーが表示されます.OK をクリックしていますが,結果には特に影響はないようです.
また,画像周辺の淡い流星の場合,_flash と誤認する事がたまにあります.
スプライトの可能性が無い夜にはこのような比較を続けてみようと思っております.よろしくお願いします.
ITO
説明: |
2015.1.4 23:40:09 Qua判定の流星(UFO CaptureHD2が作成したピークホールド画像)
Panasonic DMC-GH4 (ローパスフィルター除去品)+Nokton25mmF0.95 でキャプチャー. |
|
ファイルサイズ: |
47.6 KB |
閲覧数: |
5777 回 |
|
説明: |
2015.1.4 23:40:09 Qua判定の流星(UFO CaptureHD2が作成したピークホールド画像)
Panasonic DMC-GH4 (無改造/ローパスフィルターあり)+Nokton25mmF0.95 でキャプチャー. |
|
ファイルサイズ: |
52.45 KB |
閲覧数: |
5777 回 |
|
説明: |
Panasonic DMC-GH4 ローパスフィルター除去品 + Nokton25mmF0.95
2016.1.4-5 観測地点から北西方向でキャプチャーされた全流星(但し,朝6時台のは省いてあります)
UFO CaptureHD2 が作成する流星のピークホールド画像(.bmp)を比較明合成処理しました.
無改造品と比べてキャプチャーされた流星の数が多いのが判ると思います. |
|
ファイルサイズ: |
76.1 KB |
閲覧数: |
5777 回 |
|
説明: |
Panasonic DMC-GH4 無改造/ローパスフィルター有り + Nokton25mmF0.95
2016.1.4-5 観測地点から北西方向でキャプチャーされた全流星(但し,朝6時台のは省いてあります)
UFO CaptureHD2 が作成する流星のピークホールド画像(.bmp)を比較明合成処理しました. |
|
ファイルサイズ: |
61.48 KB |
閲覧数: |
5777 回 |
|
説明: |
Was-902H2 Ultimate + CBC12mmF0.80
2016.1.4-5 観測地点から北西方向でキャプチャーされた全流星(但し,朝6時台のは省いてあります)
UFO Capture が作成する流星のピークホールド画像(.bmp)を比較明合成処理しました. |
|
ファイルサイズ: |
65.95 KB |
閲覧数: |
5777 回 |
|
|
|
トップに戻る |
|
|
藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2724 所在地: 大阪市淀川区
|
日時: Mon Jan 11, 2016 2:37 pm 記事の件名: α7s赤外カットフィルターあり/なしの比較 |
|
|
大阪の藤原康徳です
ITOさんのローパスフィルターあり/なしの比較結果を見て、私もたまたま手元にα7sの赤外カットフィルターを取り除いたα7sがありますので(借り物です)、
ノーマルのα7sとの比較を行ってみました。
2016年1月9/10日 19時15分から05時15分
レンズは、FD85mm F1.2で、視野は、約24度×16度です。
ハイビジョン 60p UFOCaptureHD2で自動検出(設定条件は両者同じ)
観測方向は、北北東、仰角は約50度
天候はおおむね晴れで透明度も大阪市内としてはよかったです。
赤外カットなし ノーマル
19:15-20:00 3 2
20:00-21:00 5 6
21:00-22:00 1 1
22:00-23:00 4 4
23:00-24:00 8 8
00:00-01:00 10 4
01:00-02:00 8 3
02:00-03:00 12 3
03:00:04:00 10 4
04:00-05:00 20 9
05:00-05:15 4 2
合計 85 46
結果は、ITOさんの結果ほどは差がついていませんが、同じく赤外カットフィルターを除去したカメラのほうが約1.8倍多くの流星を捉えています。
ITOさんの結果をみたときに流星、特に高速流星では赤外部の発光が強いので観測流星数の差がでているのではないかと思いました。
スペクトル観測をしますと酸素の777nmラインは明瞭かつ強く写りますし、赤外域の他の原子・分子の発光もみられます。ワテックも同じく
赤外域に感度がありますので、同様にフィルターなしと同様の結果が出ているのだと思います。
私の結果(たった1日だけですが)では、夜半前は両カメラで捉えられている率が高いのですが、夜半後明け方にかけては、赤外カットフィルター
あり/なしで倍以上の数の差がでています。このことは、夜半前には、低速の流星の割合が高いこと夜半ご明け方にかけては高速の流星の割合が
高くなることと赤外部の発光がリンクしていることを示唆していると思います。
最終編集者 藤原康徳 [ Tue Jan 12, 2016 8:03 pm ], 編集回数 1 回 |
|
トップに戻る |
|
|
前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
|
日時: Mon Jan 11, 2016 8:25 pm 記事の件名: 暗い流星 |
|
|
宮崎の前田です。
藤原さん、ITOさんの結果よく一致していると思います。
ちょうど読んでいた以前に紹介したVojacek(2015)の論文にOの強度と流星の速度の関係の
グラフがあり、Log(O/Mg )vs。Vel は大体きれいに直線に載っています。
藤原さんのデータで散在流星の割合は分かりませんが、明け方は速い流星が増えるので、
流星数が稼げるんでしょうね。
ところで、ピントはどうですか。グレーティングをつけていると、ピントリングをまわすと
青、緑、赤とピントが移っていくのが分かりますよね。私はノーマルカメラなので、
青と緑の中間あたり(Mgの輝線付近)に合わせています。
ITOさんは、当然赤に合わせられているんでしょうね。
|
|
トップに戻る |
|
|
藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2724 所在地: 大阪市淀川区
|
日時: Sat Jan 16, 2016 7:29 pm 記事の件名: 等級測定 |
|
|
藤原康徳@立川です
前田さん、コメントありがとうございます。
前の記事をあげた段階ではUFOAnalyzerV2で処理する前の段階での流星数の報告でした。UFOAnalyzerV2で処理しました。別のトピックで話題になって
いました流星の光度測定について、Analyzerでマニュアルのクイックスタートの手順10で等級調整しているのですが、光度を出す式がおかしな値になってい
ます。設定がまずいのか使い方がおかしいのだと思っています。クイックスタートでは、levLHについて飽和明度値をシステムの最高明度(ほとんどの場合255)
に一致させる必要があるという記述がありますが、それ以外については特に書かれていません。これまでも、特に意識をせずにmgにチェックを入れて、
magボタンを押すだけで済ませてきました。これによって、リンクが張られている恒星の明るさと等級値で自動計算されていると理解していました。
今回の測定では、levH:255 magH:5.2038、levL:772 magL:4.0000と出ています。
ただし実際のAnalyzerでの測定結果は、目で見感じと大きく外れている、というよりはほぼ一致する結果が出ています。
測定結果です
光度分布
光度 0 1 2 3 4 5 6 7 合計
改造機 2 1 7 17 26 25 5 2 85
ノーマル 0 3 4 15 18 5 - - 45
ノーマルが1個少ないのは、同一クリップ内の流星が測定できていない分があるためです。今回、同一クリップ2流星は、2回ありました。
Analyzerでの判定をそのままだと、散在:71個、J5_Gem:7、J5_Com:5、J5_xUM:1、J5_aHy:1です。
NFD85mm F1.2は、古いレンズで最近のものとどれくらい性能差があるのか気になるところです。星像は、全体にぼってりした感じです。
>ところで、ピントはどうですか。グレーティングをつけていると、ピントリングをまわすと
>青、緑、赤とピントが移っていくのが分かりますよね。私はノーマルカメラなので、
>青と緑の中間あたり(Mgの輝線付近)に合わせています。
改造機でピントを合わせるときに星自体もピント位置(ピントがあっている前後で)で色が変化します。
|
|
トップに戻る |
|
|
前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
|
日時: Sun Jan 17, 2016 2:17 pm 記事の件名: 光度など |
|
|
藤原さんへ
前田です。
magLの方が小さいの明らかにおかしいですね。← 間違い(追記)
たしか、UFOAは、光度の分布の図と直線が一致するように調整したように思います。
赤外線カットフィルタ^を外した場合は、そもそも光度の定義から違ってくるので、今回の比較より、
通常のビデオ等級に変換するには-0.5等するなどの簡易的な独自の補正が必要でしょうね。
85mmレンズの星像はそれほどでもありませんか。私は現在FD50mm1.4 のレンズを試していますが、F2に絞っていますが、星像はよくありません。やはり、昔のレンズなので、どれでも
使えるわけでは、無いようです。
最終編集者 前田 [ Sun Jan 17, 2016 5:06 pm ], 編集回数 1 回 |
|
トップに戻る |
|
|
藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2724 所在地: 大阪市淀川区
|
日時: Sun Jan 17, 2016 3:25 pm 記事の件名: Re:光度など |
|
|
藤原康徳です
前田さん、さっそくのコメントありがとうございます。
UFOAnalyzerのほうは今のところまったく原因がわかりません。もっと使い込んで勉強しないといけないと思っています。
余談ながら、以前にも話題になっていましたが、UFOAnalyzerV2では、intlcがデホルトではチェックが入っているのですが、新しくプロフィールを
作る時に、これを外すのを忘れることをたびたびでしてしまいます。ITOさんの書かれていた「メッセージ」はこれが原因ではないかと思います?
流星の光度とは、という話をしだすと一筋縄ではいかなくなるのですが。今回は、
>赤外線カットフィルタ^を外した場合は、そもそも光度の定義から違ってくるので、今回の比較より、
>通常のビデオ等級に変換するには-0.5等するなどの簡易的な独自の補正が必要でしょうね。
というよりも、UFOCaptureシリーズを使用されておられる方のほとんどが赤外域に感度のあるワテックのビデオカメラを使われているので、「補正」という
ことが可能かどうかはありますが、ノーマルのα7sのほうがワテックとは系統的に異なるということになるのかな、と思っています。昔の本や論文では、
眼視等級と写真等級(感光材の種類にもよりますが)とで補正をしていたと思います。ノーマルのα7sは、「ビデオ等級」より眼視に近いと思います
(赤外をカットしているのであたりまえですが)。
スペクトルは、85mmよりもさらに古いFD50mm F1.4(SSC)をF2.0で使っています。50mmでもやはり前田さんの24mmの4k、600gグレーティグからは
スペクトルの解像度ではかなり(相当)見劣りがします。やはり4kかな、という思いが募ってきます。NFD24mmF2.0は、星像(特に周辺)がよくありません。
|
|
トップに戻る |
|
|
前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
|
日時: Sun Jan 17, 2016 5:35 pm 記事の件名: おっしゃるとおりですね |
|
|
藤原さんへ
前田です。
そうですね。ワテックを基準にすると、ビデオ等級が赤外を外した方ですね。
UFOAの設定で間違ったことを書きました。
調べてみるとこちらでは、magHが1ぐらい、magLが4から6ぐらいになっていました。
85mmだと、もっと暗い星まで写っていることでしょうね。
24mmと50mmでスペクトルを撮り比べてみると、600本では、50mmは分散が大きすぎる
感じです。恒星や流星ですと、暗いものが増えるので、メリットがありますが、スペクトルでは
50mmにしたからと言って、暗いスペクトルが倍も撮れるという感じはありません。
24mmでは50mmの視野の約4倍ですから、こちらのメリットが大きいですね。
|
|
トップに戻る |
|
|
|