ITO
登録日: 2004.08.09 記事: 1306 所在地: 東京都杉並区浜田山
|
日時: Fri Jan 20, 2017 11:15 pm 記事の件名: 2017. 1. 10 - 16 強い冬型気圧配置でのスプライト発生 |
|
|
2017. 1. 10 - 16 この1週間、日本付近の気圧配置は強い冬型になり、寒気が流れ込んできました.日本海側は大雪、関東地方などの太平洋側は快晴で北風が強く吹く、といういつもの真冬の天気となりました.
このような気圧配置でしたら通常は 「山陰地方から東北地方南部の日本海沿岸で雪雲による落雷が数多く発生し、それに由来するスプライトも多く観測される」というパターンになるのですが、今回はちょっと様子が異なっていました.
と言うのも、日本海沿岸には雪雲がかかるのですが、発雷件数はかなり少なく、たまにパラパラと発生する程度.したがってスプライトもほとんど観測されずに山陰地方沿岸の4イベントに留まりました.
それに対し関東地方から東北地方南部の東方沖では7日中6日でスプライトが観測されました.総数は日本海沿岸4イベントに対し、太平洋上空66イベント!圧倒的な差です.
その原因は関東/東北地方の東方沖の太平洋上にたびたび発生した小さな低気圧群で、本州南方を蛇行している偏西風の影響で冷たい空気が渦を巻いて発生したものと考えられます.このような渦を巻いた寒気の塊は「寒冷渦(かんれいうず)」と呼ばれ、
暖気を持たないため前線がありませんが、その周辺では積乱雲が出来て雷が発生する事も多いとの事.寒冷渦は偏西風から離れているので動きがとても遅く、時としておかしな動き(東から西へ移動する.停滞する.南下する、等)をします.
今回スプライトの原因となった低気圧(寒冷渦)も南下したり、停滞したりで、通常の低気圧とは異なった動きを見せました.これまでにあまり経験した事のない現象でした.
スプライト発生件数:
2016年 1月10日 33イベント
2016年 1月12日 6イベント
2016年 1月13日 9イベント
2016年 1月14日 1イベント
2016年 1月15日 3イベント
2016年 1月16日 18イベント 合計 70イベント
スプライトの発生場所(推定)、その時の気象状況、そしてきれいに撮れたスプライトの映像を掲載します.
今年1月になってスプライトの観測件数が急速に増えてきました.まだまだ期待出来そうですね.
ITO
説明: |
2017. 01. 10 - 16 この1週間に発生したスプライトの発生場所(推定)
かなりのスプライトが太平洋岸で観測されています. |
|
ファイルサイズ: |
75.62 KB |
閲覧数: |
1432 回 |
|
説明: |
2017. 01. 16 21:00 天気状況
関東地方の東方沖にある小さな低気圧が寒冷渦と呼ばれるものです.赤外写真では雲が渦を巻いているのが判りますが、この雲の中で雷/スプライトが発生しました. |
|
ファイルサイズ: |
162.34 KB |
閲覧数: |
1432 回 |
|
説明: |
2017. 01. 17 02:49:33 関東地方東方沖の太平洋上空で観測されたスプライト
冬期に多い「カラム型」と呼ばれるスプライトの集合です.
こちらは No.1 ローパスフィルターのみを除去したカメラなので、すべて除去したカメラよりもスプライトの赤色が鮮やかに写ります |
|
ファイルサイズ: |
67.58 KB |
閲覧数: |
1432 回 |
|
説明: |
2017. 01. 13 01:47:50 関東地方東方沖の太平洋上空で観測されたスプライトとスプライト・ハロー
観測地点から 475km 離れた場所で発生したと思われますが、雷光がはっきり写っています.よほど強い発光だったのでしょう.
妖精型スプライトの上に「スプライト・ハロー」も出現しています.全てのローパスフィルターを除去したカメラ(赤外域での感度が良い)を使用したせいなのでしょうか?きれいに写っています. |
|
ファイルサイズ: |
91.9 KB |
閲覧数: |
1432 回 |
|
|
|