SonotaCo.JP

[上田昌良]

2023年8月7日に次の論文が出版された。
Identifying parent bodies of meteorites among near-Earth asteroids
A. Carbognani1★ and M. Fenucci2,3
1INAF - Osservatorio di Astrofisica e Scienza dello Spazio, Via Gobetti 93/3, 40129 Bologna, Italy
2ESA ESRIN / PDO / NEO Coordination Centre, Largo Galileo Galilei, 1, 00044 Frascati (RM), Italy
3Elecnor Deimos, Via Giuseppe Verdi, 6, 28060 San Pietro Mosezzo (NO), Italy

https://arxiv.org/pdf/2308.01931.pdf

ここから誰でも論文の全文がみることができる。
この論文によると、44個の隕石の決定された日心軌道が載せてある(Table 1)。
そのうちの15個の隕石の母天体候補が地球近傍小惑星だったようで、その名称が示されている(Table 3)。天体力学からの数値シュミレーションも行なって、本格的な調査をしたようである。
Table1と3は何かと便利なまとめの表である。

地球近傍小惑星が母天体と特定された隕石に興味のある方には必読の論文だと思う。
※小生は最近の論文は全く見る機会がありませんが、ちょっと時間がありましたので、探したら興味ある論文がみつかりました、紹介もしておきます）

[藤原康徳]

上田さん、大変興味深い論文の紹介ありがとうございます。

詳しくはみていないのですが、Table 1のリストに習志野隕石火球は載っていませんね。

このリストのもとになったリスト（親リスト？）は、Meteorite Orbits infoのwebsite
https://www.meteoriteorbits.info/
とのことですね。

このwebsiteの最初にリスト掲載基準が出ています。以下の通り

As of October 30th, 2023 (last time the list below was updated), there are 51 meteorites with photographic orbits,
for which the orbital parameters have either been published in a peer-reviewed journal, in the Meteoritical Bulletin database, in a conference abstract, or in a PhD thesis.

もちろんMeteoritical Bulletin databaseには載っていますが、その中には火球の軌道要素は出ていません。
軌道要素が出ているのは、CBETのNo.4810ですが、CBETでは条件を満たさないのかもしれません。
in a conference abstractでもよいということで、新潟で行われたACMのアブストラクトで発表したという例がありました。

今更ですが、やはり論文（が理想的ですが）というところまではいかなくてもMeteoroidsやACMでポスター発表（アブストラクトに掲載される）しておくべきだったのでしょうね。
今からでも・・・・・

[上田昌良]

藤原さんへ、この論文に習志野隕石火球が載っていないことに気づかれましたね、
誰が習志野隕石火球の論文を書くべきと言う、その主語が書かれていませんので、小生からは述べません。
一般論としては、レフリー付き論文に発表しないと、今回のようにその軌道を引用してもらえません。ご指摘のとおりです。
今更ですが、藤原さんが筆頭で論文どうですか、撮影者の方々に論文にするので、火球データ等の承諾を得なければなりませんが、小生としてはこれがハードルが高く感じます。