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2023.11. 01-02 巨大ジェットの可能性がある発光現象について（その１）

2023.11. 01 オホーツク海にある低気圧からの寒冷前線が日本海を東進し、夜には東北地方を横断しました。日本海沿岸を中心に荒れた天候となり、あちらこちらで落雷・突風が発生！　
そんな中、スプライト４５イベントが観測されました。
その中でスプライトとは異なる発光現象がいくつか見つかりました。今回はその報告です。

その発光がスプライトと異なっている点としては：
・発光が低高度から始まり、上方へ展開している（スプライトは 50-70km の高度で出現し、その後上下に展開する）
・スプライトではその起源となる（正極性）落雷が必ず観測されるが、この発光の場合落雷の発生が観測されていない

これらの点から巨大ジェットでは？と思うのですが、巨大ジェットと異なる点とは：
・巨大ジェットは通常長時間の展開時間（300 - 800ms？）を有しているが、この発光は 80 - 120ms と短い
・巨大ジェットでよく見られる「二次発光（上まで展開した後に再度下から発光が展開する現象）が見られない

以前 SonotaCo さんも継続時間の短い巨大ジェットに言及されていましたが、巨大ジェットにはまだ決まった定義がなく、単に「雲頂から電離層までをつなぐ放電」とされています。
今後観測例が増えればこのような発光現象も巨大ジェット、または新しく分類される発光現象の一員となるかもしれませんが、取り敢えず「巨大ジェットの可能性のある発光」（以降、巨大ジェット様発光）とします。

第１回目として 2023.11.02 01:02:37 に東北地方南部で観測されたイベントを報告します。
この発光は全部でスプライト２イベント、巨大ジェット様発光７イベントからなるもので、スプライトから始まって最後の発光が消滅するまで約 800ms でした。

最初に出現したスプライト（01:02:37.359JST 出現）とその 150ms 後に出現した巨大ジェット様発光の画像を掲載します。
３つの巨大ジェット様発光はほぼ同時に出現し、その後の２フレーム（約 33ms）で最高高度 68-79km まで展開しました。継続時間は 6-7 フレーム（約 100 - 120ms）。
形は噴水型？と細長い扇型？樹木型？で、スプライトでは見ない形です。
その後、更に右側に別の巨大ジェット様発光４つとスプライトが出現しました。

このイベントの発生場所は新潟県と山形県の県境付近上空で、活発な帯状雷雲が日本海から太平洋方面へ移動していました。これらの発光は移動する雷雲の先端付近で発生したと思われます。
この項続きます。
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2023.11. 01-02 巨大ジェットの可能性がある発光現象について（その2）

2回目は 2023. 11. 02 01:22:15 に山形県南部〜宮城県上空で発生したイベントです。

最初にスプライトが約 150ms の間隔で二回発生し、2回目の発生から 30ms 後に多数の巨大ジェット様発光がほぼ同時に出現しました。
このイベントでも（前回と同様に）巨大ジェット様発光は地上から高度 70km 付近まで連続しており、明らかにスプライトとは異なる形状をしています。

また、同時刻の雷検知では、1回目、2回目のスプライトでほぼ同じ場所で落雷が検出されましたが（落雷からの遅延時間 1ms, 22ms）、その後の巨大ジェット様発光の出現時には落雷は検出されませんでした。
巨大ジェット様発光は（スプライトとは異なり）落雷と直接には関連していないようです（ブルージェット／ブルースターターと同じ）。
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