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小惑星 2008TC3 地球衝突

 
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投稿者 メッセージ
SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Tue Oct 07, 2008 9:47 pm    記事の件名: 小惑星 2008TC3 地球衝突 引用付きで返信

小惑星 2008 TC3 が 2008/10/7 0246 UTC に スーダン北部で地球に突入するとの予報が出ていたそうです。
WiredNews:
http://blog.wired.com/wiredscience/2008/10/meteor-predicte.html
MPEC:
http://www.cfa.harvard.edu/mpec/K08/K08T50.html
これは小惑星地球衝突の人類初の事前予報だったそうです。
発見は9時間程前、衝突予報の発表は6時間前 だったようです。

もはや過ぎていますが、今の所火球観測結果などは得られていないようですが、
直径が1mから5m程度の小惑星とのことで、続報が期待されます。

軌道からすると、衝突以前は、ほぼ黄道面上を地球軌道の外側を周回していて、近日点に向かって地球軌道とクロスしているようです。追いつくように衝突しているので、速度は遅いと思います。
多分現地は夜なので、相当ハデに見えた筈です。
日本の上空で起こってくれればと一瞬思いましたが、よく考えたら、大きなものでなくて、本当に良かったです。
大きなものだったら、のんびり書き込みなどしていられる状態ではなかったかもしれません Mr. Green
------
Space weather.com の10/7 に火球目撃談が乗りました KLM航空の飛行機から見えたそうです。
http://www.spaceweather.com/



Image1.png
 説明:
ステラナビゲータ V8.1 にMPECの公開軌道を入力して作画しました。
地球と2008TC3が重なってます
 ファイルサイズ:  64.91 KB
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Image1.png


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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Wed Oct 08, 2008 7:46 am    記事の件名: アンチヘリオン? 引用付きで返信

以下のSOLAさん Razz のブログに2008TC3の見かけの輻射点が計算されてました。
http://sora.livedoor.biz/archives/51377034.html
その位置を10月のSonotaCo Networkの同時観測輻射点と一緒に表示してみました。
アンチヘリオンの近く、典型的な横道面からの流星です。
軌道の様子は以下で3Dで見ることができます
JPL Small-Body Database Browser
http://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi?sstr=2008%20TC3;orb=1

規模からいうと、我々が普段観測している火球より少し大きい程度(3m, 発見時30等?、突入時-13等?)のようです。
よく見つかったものだと思います。

いよいよ火球も事前に見つかる時代になったのですね。
軌道要素から突入地点、突入角(誤差が大きそう)、突入速度などを求めるプログラムを自前でも作っておく必要がありそうです。
------------------
ケニアの衝撃波観測器でほぼ予想時刻に衝撃波が観測されいるとの情報もあります。
もう少し北であればヨーロッパから中東にかけてのビデオ観測網にかかったのにやや残念です。

南部陽一郎、小林誠、益川敏英 お三方のノーベル物理学賞受賞、、、株価大続落、、、今日は、大きなニュースが一杯ですね。
---------
訂正です。発見は 6.27767 日、発見時等級は 18.9 等とのことでした。



B20081001_TMAP.png
 説明:
2008TC3 輻射点(赤+) と2008年10月に観測された流星輻射点
 ファイルサイズ:  15.97 KB
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B20081001_TMAP.png




最終編集者 SonotaCo [ Wed Oct 08, 2008 4:32 pm ], 編集回数 1 回
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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Wed Oct 08, 2008 3:44 pm    記事の件名: 続報1 引用付きで返信

地球衝突直前6時間分のスペインからの観測等級変化グラフが公開されました。
http://astrosurf.com/comets/neos/2008tc3/light_curve.htm
6日20時UTC に 16.5 等、 衝突直前 7日1:23 UTC に 13.5等とのことです。

何しろ人類最初の体験なので、どのデータも興味深いです。

地球重力による軌道変化を加味した突入角と突入速度が分れば蒸発過程のシミュレートできるのですが..... 今の所見当たりません。やはりプログラムを作らないと自由が利きませんね Wink
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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
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記事日時: Wed Oct 08, 2008 7:08 pm    記事の件名: 続報2 引用付きで返信

以下のNASAのページに突入角と突入速度が掲載されていました。
(突入の1時間前に発見から数時間分のデータをまとめ、非常に精密な予測が出ていたんですね。凄いです)
http://neo.jpl.nasa.gov/news/news159.html
初期質量は、直径3mで50t 程度とし、これをFireBallInspector でシミュレートしてみました。
結果、高度14km程度まで激しく蒸発し、以降高度9km程度で速度が0.5km/s程度となり、そのまま2kg程度は落下するという結果になりました。
密度、熱伝達係数などは仮定なので、1つの可能性としてみてくださいね。
----
NASAでは2:45:28 UTCに突入し、26秒後の2:45:54 に最大減速となる(誤差+-15秒)と予測しています。
以下では突入高度を110km とし、ほぼ同時刻、高度12kmで最大減速となっています。
突入時刻誤差が15秒ということは、10km程度の精度で突入位置が分っているのだと思います。落下地点は風や分裂に依存してもう少し範囲が広がりますが.....
でも、もし、日本上空で発生していたら、たちまち隕石探索隊出動でしたね Wink
ちなみに、このインパクトはTNT火薬1kt 相当 = 4TJ とされていますが、これは50t の速度12.8km/s の物体の運動エネルギーによく一致しています。
----
現地はスーダン北東部、ヌビア砂漠かアトパラ川流域のようです。
まさか、いく人はいないと思いますが、googleの衛星写真では凄く不気味ですよ
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&ie=UTF8&t=h&ll=21.208739,33.471222&spn=1.129188,1.126099&z=10
----
JSGA 日本スペースガード協会 の衝突経路計算結果
http://www.spaceguard.or.jp/ja/mpnews/0138.html
----
欧州の気象衛星 Meteosat 8 がスーダン北東部の閃光を記録していたそうです。
5分毎に撮影しており、02:45の全バンドのカメラに映っていたそうです。



Image1.png
 説明:
FBI 蒸発モデルによる シミュレーション(改定版)
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Image1.png


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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
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記事日時: Thu Oct 09, 2008 12:16 pm    記事の件名: 時系列 引用付きで返信

時刻や前後関係の混乱もあったので、あらためて発見から、衝突までの主要時刻を並べておきます。
この小惑星の発見は T-20:06、最初の衝突予報 は T-11:46 (約半日前)でした。

2008/10/06 06:39 UT ( T-20:06 ) 発見 18.9等
2008/10/06 14:59 UT ( T-11:46 ) MPEC T50 公開 (26観測 史上初の大気圏突入予報)
2008/10/06 18:18 UT ( T-08:27 ) MPEC T51 公開 (31観測)
2008/10/06 19:15 UT ( T-07:30 ) MPEC T52 公開 (47観測)
2008/10/06 20:07 UT ( T-06:38 ) MPEC T53 公開 (60観測)
....
2008/10/06 23:45 UT ( T-02:00 ) NASA 更新衝突予報公開
2008/10/07 01:30 UT ( T-01:15 ) 最終観測 13.9等
2008/10/07 02:00 UT ( T-00:45 ) MPEC T74 公開 (全567観測)
2008/10/07 02:45 UT ( T-00:00 ) 大気圏突入

発見から最初の予報まで9時間あります。
ある程度の観測数が集まるまでの時間がとても大事なようですね。

今回は直径が3m程度と小さいもので、被害予報はありませんでした。
被害の出る可能性のある(直径が今回の10倍、質量が1000倍程度 = TNT換算1メガトン程度の爆発)の場合、
同じ発見能力であれば、8日前には発見可能ということになると思います。
1週間前に予報が出れば大規模な避難もできるかもしれません。
そう遠くない将来にそのような事態も発生すると思います。心の準備をしておきたいと思います。
-------
11/6 NASAのサマリーが掲載されました。
http://neo.jpl.nasa.gov/news/2008tc3.html
11/8 流星痕の写真が発表されました
http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap081108.html
こんな巨大な流星痕が残るということは、流星としては極めて大きい...全世界で年に数個というものだったことが実感できます。これでも小惑星としては異例の小ささなのですが...
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Fri Mar 27, 2009 6:08 pm    記事の件名: サンプル回収 引用付きで返信

Peter Jenniskens 博士を中心としたグループがスーダンで大規模調査をし、なんと落下物を回収 Exclamation したとのことです。

http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200903270937
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Tue Mar 31, 2009 8:41 am    記事の件名: Re: サンプル回収 引用付きで返信

アストロアーツの日本語の記事がでました。
http://www.astroarts.co.jp/news/2009/03/30asteroid_2008tc3/index-j.shtml
Natureの原著を読んだ方もおられますか?

驚くべきことにユレイライトだっとそうです。
なんと本当の人海戦術 Shocked だったみたいで、敬服します。
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avell



登録日: 2006.10.17
記事: 38
所在地: 千葉県船橋市

記事日時: Fri Apr 03, 2009 10:05 am    記事の件名: 2008TC3について 引用付きで返信

Nature論文によると、「polymict ureilite」、つまり rare Earth elementに富んだ、特殊なユレイライトだそうです。

通常のユレイライトは、平均密度が 3.05 g/cc、(ミクロ)空隙率が 約9% ですが、今回見つかった、Almahata Sitta隕石は、2.1 - 2.5 g/cc(フラグメントによりバラツキがある)、空隙率が 25-37 %になります。これは、最も始源的な炭素質コンドライトと同等の(ミクロ)空隙率で、非常に「もろい」ことを物語っています。

太陽位相角を模擬した隕石の反射分光から、Fタイプ小惑星のスペクトルとの一致が指摘されました。反射率が 0.046と非常に暗く、これまでは炭素質だと疑われていたので、大きな発見です。反射率と地上望遠鏡で観測された絶対等級から、当初の質量は、83±25 t、直径4.1±0.3mで、これは、インフラサウンドの結果から計算された衝撃エネルギー(6.4x10^12J)とも一致します。

Fタイプ小惑星は、全体の1.3%しかなく、その起源もまだ不明です。TC3の母天体は同定はされていませんが、1998KU2が示唆されています。

恐らくまだフラグメントが残っていると思いますので、SonotaCoネットワークでの監視に期待しております。何か分かったら是非お知らせください。こちらは、ハワイの望遠鏡で更なるフラグメント天体がないか探します。
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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Sat Apr 04, 2009 6:09 pm    記事の件名: 情報どうも 引用付きで返信

前田です。
Avellさん、的確な要約ありがとうございます。
隕石については、ほとんど知識無いのですが、空隙率30%と言われると
穴だらけで、ほとんど穴がつながっていることになりますね。
成分は違いますが、火山の噴火でできた軽石を想像しました。
私も一列に並んで隕石捜索してみたいです。間隔が思ったより
広いです。砂漠で他に変なものがないからでしょうね。
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上田昌良



登録日: 2005.02.07
記事: 3084
所在地: 大阪府

記事日時: Fri Apr 10, 2009 9:22 am    記事の件名: Re: アンチヘリオン? 引用付きで返信

2008 TC3からの予報輻射点位置につきましては、SOLAさんがすでに出して
おられます。この小惑星の軌道図を見ますと、もう1カ所で地球軌道と交差し
ています。いわゆるツインシャワーです。それで、もう1カ所の輻射点を計算し
てみました。
λ=297.27°(2009年1月17日)
α=323.3°
δ=-17.5° (2000.0)
VG=6.3km/s

この予報輻射点は、太陽に近く、観測は昼間になってしまいます。それで、
光学観測ができない時間帯であり流星出現の有無が確認できませんでし
た。

ただし、2008 TC3小惑星のカケラがまだ軌道上を回っているようでしたら、
1月17日にも地球に衝突する可能性があります。



B20090101_RMAP.jpg
 説明:
2009年1月の輻射点分布
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B20090101_RMAP.jpg


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