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散在や群の活動とフラックス

 
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投稿者 メッセージ
前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Fri Jul 03, 2009 12:01 am    記事の件名: 散在や群の活動とフラックス 引用付きで返信

宮崎の前田です。
散在流星や群流星のフラックスをTV観測から求める方法を考えようと以前から
思っているのですが、なかなかまとまりません。思いついてやったことを残して
おこうと思います。ご意見待ってます。

まずは、散在流星についてです。

話を単純化するために仮定をおきます。
1,どの方向を観測しても散在流星の光度分布は同じ
  これを満たすためには視野内の流星までの距離が大きく違うといけないので、 
  仰角の大きな観測の必要があります。流星の減光の原因が距離だけならば、
 少し(かなり)面倒ですが、距離の補正をすることは可能です。

2,どんなカメラで観測しても光度別のフラックスは同じになる。

フラックスの求め方
フラックス=(観測した)N等級以上(明るい)の流星数/ 観測面積 / 観測時間

散在流星ならば、個々の流星の突入角はランダムとして、考えなくても
よいかと思います。単点観測データからはわかりませんし。本来の
フラックスは質量に換算しないといけませんが、これも次の課題とします。

現在観測しているカメラの内、6mmから12mmの5台のカメラを使って
フラックスを求めたいと思います。

各カメラのパラメータは以下の通り

カメラ名 S1 W K E1 NW
焦点距離 6 6 8 8 12 mm
口径比 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8
視野角水平 56 56 44 44.1 31.1 deg
仰角 31.8 54.5 58.6 53.9 31.1 deg
"方位角
N→E" 170 275 344 78 326 deg 
観測面積 9.62 1.71 0.76 0.88 0.79 万km2
面積比 12.6 2.25 1 1.16 1.04

垂直視野角 37.3 37.3 29.3 29.4 20.7 deg
仰角上辺  50.5 73.2 73.3 68.6 41.5 deg
仰角下辺 13.1 35.8 43.9 39.2 20.7 deg
仰角上辺距離 129.7 104.5 104.4 107.4 151.1 km
仰角下辺距離 440.3 170.9 144.2 158.3 282.6 km
上辺と下辺の 2.7 1.1 0.7 0.8 1.4 等
光度差

観測面積はカメラの視野が高度100kmで見ている面積
仰角上辺は、カメラの視野の上辺の中央の仰角
仰角上辺距離はカメラの視野の上辺中央の方向、高度100kmの位置までの距離
上辺と下辺の高度差は、たとえば、カメラ上辺中央に0等の流星が観測された時
、カメラ下辺中央に同じ明るさの流星が飛んだ時の明るさです。S1では2.7等と観測されるということ。

これから見てもS1のカメラでは光度分布が歪んで、うまくいかなそうな感じです。
NWも仰角が低いので、どうかなといったところです。

あとは、晴れた日の流星数を使って計算すれば出るのですが、「晴れた日」を
どうやって選ぶかが結構奥が深く、現在何種類か検討中です。


p.s. 表がすごく見にくくなるのですが、エクセルシートの貼り付け方が分からないので
ワードに貼り付けて添付してみます。



カメラパラメータv2.doc
 説明:
表1 各カメラの条件 
S1カメラのデータが古いもので
計算していたので、改訂しました。

ダウンロード
 ファイル名:  カメラパラメータv2.doc
 ファイルサイズ:  50.5 KB
 ダウンロード回数:  366 回



最終編集者 前田 [ Sun Jul 05, 2009 9:22 pm ], 編集回数 2 回
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SonotaCo
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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Fri Jul 03, 2009 3:02 pm    記事の件名: Re: 散在や群の活動とフラックス 引用付きで返信

これは大きな研究テーマですね。

最終的には 日時, 緯度 から 単位面積,単位時間当たりの等級に依存した流星出現確率を計算できるようになることが目的だと思います。これは人類の夢の1つですね。

実は私も2007,2008の2年分のデータでこれに迫ろうかとちょっとトライしたのですが、2年分では天候の影響が大き過ぎで有意な結論を導けそうにありませんでした。10年分位当時観測データが溜まればなんとかなるかも知れないと思っています。

比較星数などで、うまく天候の影響を除外する方法が見つかれば現状のデータでも各カメラの検出能力を数値化することが可能となるかもしれないとも思います。そうでなければ、日本の天候を含めた多年の平均という形でないと数値化は難しそうだと思っています。

でも、我々の観測はそれに迫る手段になっていることは明らかですね。
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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Sat Jul 04, 2009 12:19 am    記事の件名: 日々の流星数 引用付きで返信

前田です。
SonotaCoさんどうも。夢というとすごい遠い感じですが、ある程度のレベルなら
現在のデータでもやれるのではないでしょうか。

ーー
続きです。
まず、単位時間には”日”を使います。それは、1台のカメラで1時間に撮れる数は
1,2個で、今は、統計的な処理に耐えられないからです。

とりあえず、直近の、ηみずがめ群の状況を知りたいので、4月25日から5月24日までの
1ヶ月をサンプルにします。群の判定はUFOAnalyzerV2.52のJ5リストを使って判定しました。この期間にある群はETA,ELY,LYRだけで、それ以外はすべて散在としました。
全体の様子を見るために各カメラの流星数を単純にプロットしたのが下の図です。
月末にかけて流星数が減少気味なのは昼の時間が短くなる影響が出ているかもしれませんが、これも今はそのままにしておきます。梅雨入りが近く天気が悪くなっていることもあります。

この図を見て分かることは、天気の悪い日はよく目立ちますが、よい日はわかりにくい
こです。それでも何となく15個/日ぐらいに線が引けそうで、このあたりが天気の
よい日なのかと思われます。



Graph3.JPG
 説明:
図1 日々の流星数変化(散在)
 ファイルサイズ:  83.4 KB
 閲覧数:  4360 回

Graph3.JPG




最終編集者 前田 [ Sun Jul 05, 2009 9:22 pm ], 編集回数 1 回
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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Sun Jul 05, 2009 9:21 pm    記事の件名: 晴れの日とは 引用付きで返信

前田です。

図1のグラフは、重なって見にくいのでKのカメラだけのグラフです。
この変化から上限の包絡線を結んでばらつきを考えて、点線(N=12)
以上を晴れの日としました。(晴れの基準数と呼びます)かなりいい加減でプラスマイナス2?3はありそうですし、季節によってもかなり違いそうです。
毎日の各カメラのデータと晴れの基準数を表2にまとめました。
この散在の数は群判定のやり方でやはりプラスマイナス2?3個は
変わります。
晴れの日を黄色で色をつけて見ました。意外にカメラの方向によって違いあります。
また、S1やWのカメラには月が直接通過するので、晴れていてもその時は
流星数が減ると思われます。ちなみに、この月は4月25日、5月24日が新月で、5月9日が満月です。



図2Graph13.jpg
 説明:
図2 Kカメラの日々の流星数変化。
 ファイルサイズ:  37.55 KB
 閲覧数:  4353 回

図2Graph13.jpg



表2200905カメラ別散在数.doc
 説明:
表2 日々の流星数変化

ダウンロード
 ファイル名:  表2200905カメラ別散在数.doc
 ファイルサイズ:  93.5 KB
 ダウンロード回数:  305 回

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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Sun Jul 05, 2009 10:03 pm    記事の件名: 散在流星のフラックス1 引用付きで返信

前田です。
各カメラで、晴れの基準数以上の流星が出現した日を”晴れの日”としてそれらの日の
だけのデータを使って、光度分布を求めます。
それから、累積光度を計算します。累積光度1等とは、1等より明るいすべての流星
数のことです。また、ここでは、1等の流星は0.5等から1.5等とUFOAnalyzerV2で
判定された流星です。in/outは特に考慮せずに、全部数えています。

この光度分布を使って縦軸を対数にしてフラックスをプロットしたものが図3です。
晴れの日は表2より、各カメラで10-14日ありました。ちなみに、10000平方キロというのは、日本付近で、経度1度と緯度1度で区切られる(ほぼ)長方形の面積に相当します。

結果を見て分かることは、意外にデータがばらついています。本来は
最初に書いたようにカメラによらず一定の値になるはずでした。
詳しく見てみます。
一番低い値はS1で、これは仰角の低いところを観測しているので、表1にあるように、本来0等の流星が1等から2.5等に減光され、しかもその観測面積が仰角に
よって違っているので、複雑です。まあ、これは予想通りの結果です。
次に低いのはNWです。これも仰角が低いカメラです。少しわかりにくいのですが、
図1を見るとNWの流星数の変化は他のカメラに比べて大きく感じます。これは、
12mmという暗い流星まで感度があるために空の影響を受けやすいと見ることも
できます。

一方一番フラックスが大きくなったのは仰角の一番高いKでした。この仰角とフラックスの相関は偶然ではなさそうです。また、KとS1は数は違いますが、傾きはとても似ています。私はS1のような仰角の低いカメラは遠くの明るい流星を多く捕えるので、傾きは小さくなると思っていましたが、そうでもなかったです。

Wのカメラだけが2等のところで数が少なく、それ以外はほぼ平行に推移しています。
これは、Wが6mmレンズのため、2等の流星でも見逃しの影響が出始めているではないかと想像しています。

このような仰角とフラックスの相関になった原因はいくつかあるでしょうが、
私は、晴れた日の選び方に問題があるのではないかと考えました。



図3Graph10.JPG
 説明:
図3 散在流星のフラックス1
 ファイルサイズ:  36.74 KB
 閲覧数:  4797 回

図3Graph10.JPG


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前田



登録日: 2004.09.01
記事: 2754
所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)

記事日時: Sat Jul 11, 2009 4:04 pm    記事の件名: 快晴の日のフラックス 引用付きで返信

前田です。
晴れの日のフラックスではカメラ間で差が大きかったので、さらに天気の条件を
絞ってみました。表2で1日のデータで5台のカメラのうち1台でも晴れでないカメラが
あると言うことは、その方向に雲(または月)があったので、それらの雲が、他の方向にも流れてきて影響を及ぼしていると考えました。5台のカメラが全部晴れとなった日を
快晴日としました。表2の期間では3日しかありませんでした。それをカメラKの日々の流星数で次に示します。(図4)
快晴の日は予想通りたくさん流星が流れています。
逆に言うと、少し流星数の少ない日はやはり一時曇ったと言うことでしょうね。

快晴日の光度分布を求めました。(図5)
今度は、図3より明らかに一致度が高いです。S1が低いのは本質的な問題なので、
よいとして、Wの動きが少し他と変わっていて、暗い流星が少ないです。やはり、
広角レンズで暗い流星が捕らえられていない可能性があります。0等では、
他のカメラ並となりました。
図3で少なかったNWも条件のよい日には他と同じ値になっています。この条件でも
S1と他のカメラの変化は平行にずれています。これは、何らかの補正で低い仰角の
カメラからもフラックスが求まる可能性がありますが、ここでは、議論しません。

とりあえずの結論ですが、5月の散在流星のフラックス(日、1万km2当たり)は1等以上の流星で6から10個、0等以上で、2から4個となりました。



快晴日のフラックス.JPG
 説明:
図5 快晴日のフラックス
 ファイルサイズ:  35.1 KB
 閲覧数:  4711 回

快晴日のフラックス.JPG



快晴日の流星数15c.jpg
 説明:
図4 快晴日の流星数
 ファイルサイズ:  27.02 KB
 閲覧数:  4710 回

快晴日の流星数15c.jpg


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