SonotaCo.JP
SonotaCo Network Japan Forum
SonotaCo.JP Forum Index
homeTop Page  FAQFAQ   検索検索   メンバーリストメンバーリスト   ユーザーグループユーザーグループ   登録する登録する 
 プロフィールプロフィール   プライベートメッセージをチェックするプライベートメッセージをチェックする   ログインログイン 

流星速度の決定法

 
新しいトピックを投稿   トピックに返信    SonotaCo.JP Forum Index -> UFOCaptute ソフトウェア 談話室
前のトピックを表示 :: 次のトピックを表示  
投稿者 メッセージ
司馬康生



登録日: 2005.11.26
記事: 2158
所在地: 明石市

記事日時: Sun Jul 27, 2014 8:49 pm    記事の件名: 流星速度の決定法 引用付きで返信

ありがたいソフトウェアの開発に感謝しています。

さて、流星の軌道決定で最も誤差に効いてくるのが速度です。

UFOOrbitの内部計算について十分理解できていないので、
この考え方を採用するのが適切かどうかわかりません。
もし役立つようでしたら、
バージョンアップなどの際には考慮いただけるとありがたく思います。

2010年に動画観測に対応する速度決定法として流星会議で一つの方法を発表しましたが、
いくつかの適用を経て、まずまず使えると感じています。
ただ、その発表は速度を指数関数近似する方法で、
速度を含む定数を最小二乗法で解けない形となり、
自動計算には採用しにくい方法です。
その課題を排除し、速度一定と考えると容易に速度を含む数値を解くことができます。
以下その方法を書いてみます。長文になり、すみません。

この方法の趣旨は、速度をそのまま計算せず、
速度を時間積分した値、即ち飛行距離で扱う点です。
速度を正直に計算する場合、
隣り合った短い時間間隔から求めた速度は、小さな分母のため単一誤差が大きくなり
反対に、時間を間引いて時間間隔を延ばして出した速度は、単一誤差が小さくなる代わりに、
せっかくの観測数(フレーム数)を生かせません。
これに対して、飛行距離に置き換えると、両方の欠点が消えるという仕掛けです。

具体的に式を記述します。
時間t、飛行距離をL(t)、速度をvとすると、
 L(t)=vt
ですが、時間t=0における位置誤差をΔLとして、
 L(t)=vt+ΔL
と置きます。この中で、tとL(t)は観測から求められるので、未知数
vとΔLを最小二乗法で決定します。式の変形は省略し、結論は次の通り。
 v={nΣtL(t)?ΣtΣL(t)}/{nΣt^2?(Σt)^2}
 ΔL={Σt^2ΣL(t)?ΣtΣtL(t)}/{nΣt^2?(Σt)^2}
ここでnは(観測測定点の数?1)、Σはそれぞれの測定点の数値の総和です。
このとき、速度vの誤差(標準偏差)v(sd)は次の通り。
位置L(t)の誤差の標準偏差をL(sd)とすると、
 L(sd)・・・L(t)のO-Cから標準偏差を計算
 v(sd)=2L(sd)/{tmax*(n?1)^0.5}
ここで、tmaxは計算に使った時間の長さ。

計算された発光点位置が、直線から横にずれていると、それに伴う誤差が発生しますが、
一般には小さなコサインエラーと見て無視できる範囲かと見ます。

理論は以上ですが、実用には、大気減速の効かない範囲であてはめなければなりません。
発光点から0.5秒や1秒など、時間で切る方法や、
発光点高度から30km降下するまでのように高度で切る方法など、
tmaxがあまり短くならずに、かつ大気減速を取り除ける方法が必要でしょう。
もっとも、経路の途中から写っているような流星は解決不能ですね。

継続時間が余りに短い流星には、生かす「フレーム数」が無いので、
簡便な方法と比べて優位性が少ないし、2フレーム流星では使えません。

いろいろ問題もありますが、時間があるとき検討いただければありがたく思います。
また、計算方法に誤解があれば是非ご指摘ください。
トップに戻る
ユーザーのプロフィールを表示   投稿者のウェブサイトに移動
SonotaCo
Site Admin


登録日: 2004.08.07
記事: 12644
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Tue Aug 26, 2014 7:37 pm    記事の件名: Re: 流星速度の決定法 引用付きで返信

拝読させて頂きました。貴重な御示唆ありがとうございます。
折をみてじっくり考えたいと思います。

-------------
以前から気になっていた点なのですが、現状では手付かずになっていてすみません。
とっさに思うことは以下です。

たぶん、この話を実現するには 全フレームの測定情報をハブに集約する必要があるが、その形式の議論が止まっている状況なので、すぐには手を出しにくい....
(単点でサインカーブフィットと同時に速度についての最小2乗法を使う手もあるかもしれないですが....)

昔、誰か(Silkoだったか?) とこの問題を議論したことがあったような気がします
その時は、開始点と終了点だけの情報では中間点の測定を活かせないので、
すべてのフレーム間の網羅的組み合わせで速度を計算してそれを統計処理したらどうか という意見が出た記憶があります。(でも私は それは何か変 と思いました)

各フレームにおける開始点からの距離の誤差を最小にするというのは 前の方のフレームのを何度も使うことになるので、重みに偏りがでるような気もします。 等速仮定だからそれで良いとも思うのですが、
もともと等速仮定なら 途中の誤差が打ち消しあう 始点終点方式も一理あるのではないか..

うーん、いつか 頭を整理して、できれば実験してみたいです。
トップに戻る
ユーザーのプロフィールを表示  
特定期間内の記事を表示:   
新しいトピックを投稿   トピックに返信    SonotaCo.JP Forum Index -> UFOCaptute ソフトウェア 談話室 All times are GMT + 9 Hours
Page 1 of 1

 
移動先:  
新規投稿: 不可
返信投稿: 不可
記事編集: 不可
記事削除: 不可
投票参加: 不可
このフォーラムで添付ファイルを投稿 できません
このフォーラムでファイルをダウンロード できます


Powered by phpBB © 2001, 2005 phpBB Group
Copyright ©2004 SonotaCo Network. All Rights Reserved.