司馬康生
登録日: 2005.11.26 記事: 2168 所在地: 明石市
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日時: Tue Aug 16, 2016 9:20 pm 記事の件名: やぎ座流星群の永年共鳴は存在するか? |
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十三塾で嵯峨山さんから紹介して頂いた
Jenniskens,P. et al,2016,Icarus,266,pp.331?354
”The Established Meteor Shower as Observed by CAMS”
で、やぎ座流星群の軌道周期が木星と3:1の共鳴関係にあると指摘されています。
共鳴が有るなら、流星物質の偏りがあるかどうかをSonotaCo Netの2007?2016年のデータで調べてみました。
2016年は8月上旬のアップロードまでです。
想定されるやぎ座流星群の共鳴部分の平均近点角位相ΔMは、予備的な検証として概数として扱っています。
木星の周期12年弱に対して3:1なので4年弱の周期で増減します。
木星と会合する点に近い位相は2008?2009年、2012?2013年、2016年に地球軌道に接近します。(左下の図)
一方、やぎ座流星の散在流星に対する比率は左上の図です。なお、活動期間は太陽?径で111?136°かつ、次の条件で抽出しました。
α=0.5362(SL?128)+306.4856
δ=0.2708(SL?128)?9.007
R=±5°
Vg=?0.1955(SL?128)+22.138 ±3.5km
太陽?径に対する軌道周期は右の図に示しました。軌道周期は少し長く4.5年くらいを中心に分布しています。
ここで、上記論文でもXCSとの略号で指摘していますが、活動初期は違う流星軌道の特徴を持っている群が重なっているため、
太陽?径120°で分けた集計も示しています。
また、やぎ群本流(SL>120°)に対しては輻射点が低くなる03時以降を切り捨てたときの集計も同時に示しました。
結果は、2010?2014年の5年間は|ΔM|と、共鳴関係にあるやぎ座流星群の活動曲線は相関があるように見えます。
しかし、他の年では一致しているとは言えません。
天候の悪い時期で、観測そのものの安定度が低いことも考慮し、現時点では共鳴関係による流星物質の集中は十分確認できなかったと結論します。
ただ、今後も調査は継続する価値があると思います。まずはΔMをちゃんと計算しないといけません。
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