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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Tue Oct 31, 2017 9:32 am 記事の件名: Re: 2017年10月26日23時51分48秒溶けるように崩れる低速流星 |
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すみません、1つずつ確認していきましょう。
まず、10/31朝時点でのSonotaCo Network側のデータをまとめておきます。
10/26-27の夜、SonotaCo Networkでは全体で268個の同時観測流星が求まっています。
その中で-2.0より明るい流星は45個ありました。
235148は9カメラによる同時観測になっており、UA2では -2.7等と計算されています。
動画上では はっきりした爆発はありません。Tokyo8の観測等級では中央がやや明るく突発的な増光はありません。
一方 YouTubeのタイムラプス画像では以下のように見えます。
流星経路は1コマ(30秒露光とのこと)のみに写っており、流星の侵入方向は不明です。
流星痕は画像上左側の1点に近い部分から発生し、経路方向に拡散し、時間とともに流れ広がっているように見えます。
撮影場所は大菩薩湖北岸駐車場とのことで、35.726(35度44分) 138.832(138度50分) 付近と思われます。
画像には多数の恒星と天の川が映っており、この流星を画面上右から左へ流れたとすると およそ
始点 Ra 356° Dec 14°
終点 Ra 350 Dec 16°
となります
これはShimodaさんが書いたように SonotaCo Network の20171026_235148 と矛盾していない と思います。
侵入方向が逆だとすると 一致しませんが、それに該当する流星は同夜観測されていないので、
同一流星 に間違いない ということでいいと思います。
同一として あらためて現状をまとめておくと
- Melting meteor (直訳すると 融解流星ですが、日本語名はすでに何かあるでしょうか?)が ビデオと静止画、タイムラプスビデオで観測された
- 赤外まで感度のあるビデオでは太く溶けるようにもやもやと消えていく
- カラーの静止画ではそんなに太くない
- タイムラプスビデオでは 末端に近い所の1点から発生したような 流星痕があり、それがその後拡散している
- 流星経路は始点高度96.1km,終点高度76.4kmで突入仰角35.6°観測速度 13kmであり、流星痕の発生場所となった高度は80km+-3km程度と推定できる。
- 溶けるようにビデオに映る現象は ビデオに写らないが長時間露光の静止画には写る暗い爆発による流星体の分解である可能性が高い
- 観測速度 13km/s 低速流星でも 永続痕となる 流星体の分解現象のようなものが発生する。
ということかなと思います。
Bill Wさんには連絡しておきました。
素晴らしい記録になったと思います。どなたか是非、論文執筆をご検討ください。
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TK8_S7のUA2によるフィールド毎等級 (縦軸:等級, 横軸:フィールド番号, 特に爆発はない) |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Wed Nov 01, 2017 2:15 am 記事の件名: 痕の高度 |
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SonotaCoさん、
まとめていただき、とてもわかりやすくなりました。ありがとうございます。
1点疑問があります。
この流星は西から東へ流れたので、タイムラプス画像で、流星痕が
残ったのは、発光点側ではないでしょうか。もしそうだとすると、
痕の高度も変わりませんか。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Wed Nov 01, 2017 7:17 am 記事の件名: Re: 痕の高度 |
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前田 wrote: | 1点疑問があります。
この流星は西から東へ流れたので、タイムラプス画像で、流星痕が
残ったのは、発光点側ではないでしょうか。もしそうだとすると、
痕の高度も変わりませんか。 |
撮影地点と経路の関係は、撮影地点が経路をわずかに北側から見る位置のようでした。
(今の所、経路末端は北緯35.523°、観測地は北緯35.726 となっています)
このため 西から東への流星は右から左へ流れたのだと思いました。
で、YouTube動画をコマ送りで見た限りでは経路の左側で爆発しているように見えたので、
その末端付近で爆発した ということだろうと思い、80km付近と見積もりました。
爆発の後、痕は右側にも大きく拡散していくので、なんとなく左からきたような感じがしますが、痕が拡散する方向はもともとの流星の進行方向とは関係ないのではないか ... という感じです。
たぶんあっているとは思うのですが、そんなに自信があるわけでもありません。
タイムラプス画像の精密な分析が進み、より正確な情報が発表されることを期待しています
宇宙から地球に物質が供給される珍しい形の記録かもと思います。論文書かれる方がおられれば、協力させて頂きます。
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Shimoda
登録日: 2006.12.12 記事: 3444 所在地: 長野県朝日村
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日時: Wed Nov 01, 2017 8:58 pm 記事の件名: Re: 2017年10月26日23時51分48秒溶けるように崩れる低速流星 |
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SonotaCoさん わかりやすくまとめていただきありがとうございました。
撮影地点は 北緯35.7259 東経138.38320 と報告されているので、問題ないと思います。
現在とりあえず10分間隔での画像の提供をお願いしてあります。
解析については上田さんより協力の連絡が来ていますが、SonotaCoさんからも協力していただけるのであれば、分担を考えなければいけません。
とりあえず、時間ごとの痕の位置を測定して、立体的な拡散についての把握が必要かと思いますが、痕は1点からの撮影ですから、なんらかの仮定が必要になってくるでしょう。
岡野さんの画像に痕が写っていないかについて、現在問い合わせ中です。
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司馬康生
登録日: 2005.11.26 記事: 2166 所在地: 明石市
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日時: Wed Nov 01, 2017 10:07 pm 記事の件名: 同じ群と思われる他の3流星 |
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迂闊にも別スレッドを作ってしまいました。すみません。
同じ群に属すると思われる3流星は以下のとおりです。
日時:撮影カメラ
_20171026_210904 _Saitama1_E6 _TK8_S5
_20171027_001318 _Saitama1_E6 _TK8_SZ
_20171027_195407 _Nagano1_m1 _Saitama1_N6
同じような特徴が有るでしょうか。
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ts007
登録日: 2004.08.09 記事: 5069 所在地: 埼玉県川越市
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日時: Wed Nov 01, 2017 10:31 pm 記事の件名: 該当する3流星の静止画とデータです。 |
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該当する3流星の静止画とデータです。似ていますね。でも、動画は、すべて削除していました。残念。でも、ジャコビニのような感じはしていました。ここのところやや多いかあと思っていました。dataは、群名 時刻 等級 継続時間です。4つの計算結果も載せます。
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spo 20171026_210904 0.4 0.918 |
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J5_nTa 20171027_001318 0.8 1.718 |
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説明: |
spo 20171027_195407 -0.1 0.884 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2759 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Wed Nov 01, 2017 11:14 pm 記事の件名: 流星の方向 |
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前田です。
面白い展開になってきましたが、昨日の話の続きです。
私も流星をプロットして輻射点との関係を調べて見ました。
shimodaさんの図に重ね書きします。(水色の線)
これを見ると、おうし座の方向が消滅点の方なので、やはり、この痕は
発光点の部分で残ったようです。
ts007さん
4流星の輻射点の拡大図ありがとうございます。
25/26まではこちらも天気が良かったので、この群のスペクトルが写っていないか
探したのですが、ありませんでした。この群は、天頂引力がものすごく大きいので、
単点流星から群を探すには、天頂引力補正前の輻射点位置で探す必要が
ありますね。
司馬さんへ
このボードは、確かスレを立てた人だけは、スレを削除できる仕様ですよ。
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藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2717 所在地: 大阪市淀川区
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日時: Thu Nov 02, 2017 12:17 am 記事の件名: Re: 流星の方向 |
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藤原康徳です
群活動も見つかってますますおもしろくなってきましたね。ただ、群活動の話と永続痕の話は当面は切り離したほうがよいようにも思えます。
NMS同報にも書いたのですが、次のニュースサイトにも画像が上がっており(下田さんのインタビューも出ています)、画像の静止やアップでの表示が出ています。
それを見ると痕の最初ところでのもう少し細かい状態が見えている感じです。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000113340.html
経路上で爆発(増光)しているように見えるところはすでに痕が重なって写っているということでしょうか???下田さんがアップロードされた岡野さんの写真には痕が写って
いないので解釈が難しいのですが。長時間継続するこの色の永続痕は、流星出現後10数秒後から顕著になってくるそうですので、撮影時刻(時間)との関係が微妙にある
のかもしれません。岡野さんのこの続きの写真があるのならぜひとも見たいところです。
ものすごく憶測で書いていますので(書くのを控えておこうかなとも思っていましたがいろいろと進捗があるのでつい書きこみました)、オリジナル画像の解析で
より詳しい結果が出るのを楽しみにしています。
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さぎたりうす
登録日: 2004.08.09 記事: 4404 所在地: 大阪府大阪市東淀川区
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日時: Thu Nov 02, 2017 12:41 am 記事の件名: 母天体 |
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藤原康徳 wrote: | 藤原康徳です
群活動も見つかってますますおもしろくなってきましたね。ただ、群活動の話と永続痕の話は当面は切り離したほうがよいようにも思えます。
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軌道要素の近い小惑星がありました。ご参考までに。
a q e ω Ω i
2010UB 2.14 0.990 0.519 199.5 215.1 3.4
SonotaCoNet 1.90 0.981 0.495 196.3 213.1 2.6
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ts007
登録日: 2004.08.09 記事: 5069 所在地: 埼玉県川越市
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日時: Thu Nov 02, 2017 6:54 am 記事の件名: ドンピシャですね。ますます面白くなってきました。 |
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さぎたりうすさん。軌道から母彗星を探してもらうと思っていたところで、ドンピシャですね。流石に早いですね。ますます面白くなってきました。こうなると、過去のデータからも探したくなりますね。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Thu Nov 02, 2017 7:31 am 記事の件名: |
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前田 wrote: | 前田です。
これを見ると、おうし座の方向が消滅点の方なので、やはり、この痕は
発光点の部分で残ったようです。
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すみません 私の勘違いでした 下図のように前田さんが正しいです。
爆発は始点側とすると 高度は93km付近ということになりますね。
Shimoda wrote: | 解析については上田さんより協力の連絡が来ていますが、SonotaCoさんからも協力していただけるのであれば、分担を考えなければいけません。 |
すみません、タイムラプスの解析のご協力はできません。論文を書く時のSonotaCo Network側のデータの誤差計算等はできると思います。
この群の他の流星のビデオは今から確認してみます。
説明: |
この図の視点と終点を勘違いしました 輻射点に近い方が始点でした(汗) |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Thu Nov 02, 2017 7:45 am 記事の件名: Re: 同じ群と思われる他の3流星 |
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司馬康生 wrote: | 迂闊にも別スレッドを作ってしまいました。すみません。
同じ群に属すると思われる3流星は以下のとおりです。
日時:撮影カメラ
_20171026_210904 _Saitama1_E6 _TK8_S5
_20171027_001318 _Saitama1_E6 _TK8_SZ
_20171027_195407 _Nagano1_m1 _Saitama1_N6
同じような特徴が有るでしょうか。 |
当該流星のTK8 の静止画動画です。
素晴らしい Tokyo8で記録できた2つの流星は どちらも 見事な Melting Meteor でした。
これがこの小群で共通しているということは....
なにか、大発見になってきましたね。
そもそもこの高度でこの時間 1時間以上も明るく拡散する というのは どういう可能性があるのか 想像が膨らみます。
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20171026_210904 のピークホールド画像 |
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M20171026_210904_TK8_SZ.mp4 |
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257 回 |
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ファイル名: |
M20171027_001318_TK8_SZ.mp4 |
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2.22 MB |
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417 回 |
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藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2717 所在地: 大阪市淀川区
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日時: Thu Nov 02, 2017 11:36 am 記事の件名: Re: 同じ群と思われる他の3流星 |
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藤原康徳です
みなさんの書き込みをわくわくしながら読んでいます。
流星群としての知りたいことあるいは解析方向としては次のようなことが思い浮かびます(脈絡なしです)
1.すでにさぎたりうすさんが行われた親天体(関連天体)の捜索
2.これもすでにSonotaCoさんが行われた撮影された流星映像から見た光度変化・形状の類似性
3.これも指摘されているように過去に観測された流星軌道から同一群流星の検出をおこなう。
今回のケースのような低速流星の場合には、佐藤幹哉さん土屋智恵さんの方法が有効に使えるのでしょうか?
4.この流星群の軌道に対して木星の摂動はどれくらい効くのでしょうか?
5.解析とは異なりますが、さらにこの流星群の観測をしている可能性のあるデータの収集をおこなう(呼びかけ、協力を求める)。
6.単点観測から群流星を検出する。その結果からの活動度の推定ができないか?前田さんが書かれておられるように天頂引力が今回の流星群では非常に大きく効きますが、
地心輻射点と地心速度がおおよそ分かっているので、反対に観測時刻に対する視輻射点が計算できます。例えば15分ごとの視輻射点位置を計算しておき、その輻射点を目安に
群流星を見つけることができるのではないかと思います。流星の形状も有力な根拠になると思います。
7.流星体の質量計算、できれば密度 単純に考えるとこれだけの低速度で明るく光るということは流星体がでかいのかなと思います。あるいは、低密度のMelting Meteor と
いうことが関連しているのかもしれません。10月りゅう座流星群や6月うしかい座流星群の今回ほどの低速度ではありませんが、同じような形状なので、彗星起源低速流星の
特徴かも?ただ2014年のほうおう群は明るい火球は経路後半で増光(小爆発?)していました。
8.出現点・最大光度点・消滅点高度と速度との比較 10月りゅう座流星群は、出現光度が速度のわりに高いことがしられており、これが流星体の性質からだと考えられています。
脈絡なく書きましたが、超低速のこれまで知られていない流星群活動を検出したというのがメイントピックになると思います(IAU MDC見た限りでは該当しそうな群はないように思いました。
ただし最近注意力不足なので要チェックです)。
プラス永続痕のことになるのですが、これは群流星のまとめ(論文)には触れるだけで、視点を変えて(メインテーマを定めて)別論文にするのがよいのではと個人的には思っていますが、
このあたりはメインとなって論文を書こうとする方の意向しだいです。ぜひとも結果を公表したいですね。
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12669 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Thu Nov 02, 2017 12:13 pm 記事の件名: もう1つの痕? |
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Youtubeのタイムラプス動画ですが、動画後半左下からも流星痕の帯が広がってきているように見えるのですが、いかがでしょうか。
この撮影機材とISOと撮影F値など知りたいです。
90分の間に2回発生したとすると、この手のタイムラプスではこのようなことは結構あることなのでしょうか?
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藤原康徳
登録日: 2004.08.10 記事: 2717 所在地: 大阪市淀川区
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日時: Thu Nov 02, 2017 12:39 pm 記事の件名: 永続痕 |
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藤原康徳です
SonotaCoさん
>そもそもこの高度でこの時間 1時間以上も明るく拡散する というのは どういう可能性があるのか 想像が膨らみます。
私自身は流星痕については公表されている文献程度にしか知らないので流星痕の専門家の方から説明していだだけると明快なのですが、
とりあえずwebから簡単に手に入る文献・資料には次のようなものがあります。
1 阿部新助他 流星に生命を求めて 天文月報2002年11月号
2 J. Borovicka Meteor Trains - Terminology and Physical Interpretation JRASC, 100: 194-198, 2006
3 流星物理セミナーの資料集
http://msswg.net/CD/MSS16-KON.pdf
1の520ページに流星痕の発光メカニズムの説明が出ています。流星痕はアフターグローという段階とせまい意味の永続痕とに大きく分かれるようです。
前者は、流星と同じ輝線スペクトルが主で、後者は前者が見えなくなってくるころから(時間が遅れて)顕著になってくるバンドスペクトルで、流星起源の
金属原子がオゾンとの反応で励起状態の分子となる化学反応のサイクルが発光に関与していると考えられています。後者のプロセスにつては確定した説は
ないようです。
2は流星スペクトル研究の第一人者による流星痕についてのレビューです。1で書かれていることについてさらに詳しく書かれています。レビューなので
2006年時点参考文献が挙げられていますので、これでその時点での(もう10年も前ですね)研究の全体像が分かると思います。
3はNMS同報で内山さんが紹介されたものです。過去の流星物理セミナーで発表されたときのレジュメや資料がpdf化されたものです。2001年のしし座流星群
のあとに流星痕の発表が多くされています。2で挙げられている論文の紹介もあります。これも内山さんが指摘されたのですが、鈴木智さんのふたご座流星群の
永続痕の発表は先行研究として極めて重要(高速ではない流星からの永続痕の発生)だと思います。
個人的には、今回の永続痕はやはり超低速流星から生じたというところが最大のポイントだと思っています。これは完全に妄想のたぐいかもしれませんが
、低速だったゆえにアフターグローを生じなかったが、流星体の密度が極めて小さかったために崩壊により金属原子が大量に供給されたことが永続痕発生の
原因となった。後段については鈴木さんのご研究を参考にしています。
私の能力をはるかに超えている課題ではありますが、最近の研究状況が知りたいところです。
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