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コンポジット信号用ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)

 
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ITO



登録日: 2004.08.09
記事: 1304
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Fri Mar 31, 2023 11:35 pm    記事の件名: コンポジット信号用ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー) 引用付きで返信

ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介!

Watec カメラ等の出力映像(コンポジットビデオ信号)に GPS信号に基づく情報をスーパーインポーズする「ビデオタイマー」を購入しました。
購入したのは BlackBox Camera Co., Ltd 製「Precision GPS Time Video Overlay Unit モデル:GPSBOXSPRITE3-U」という機種で、コンポジットビデオ信号(640x480ピクセル・30fps 等)に
GPS からの位置(緯度経度)、高度、移動速度、時刻、等を画面上にスーパーインポーズする事が出来ます。

ホームページ:     https://www.blackboxcamera.com/pic-osd/pic-osd.htm
GPSBOXSPRITE3-U: https://www.blackboxcamera.com/pic-osd/pic-osd.htm

BlackBox Camera 社のホームページから注文し、約3週間で到着しました(航空便使用。国内は日本郵便扱い)。
ホームページ上の購入手続は簡単で、購入機種名・数量や氏名、送付先住所、クレジットカード情報などを打ち込むだけ。
「日本で使うから NTSC モデルにしてね」とメールしたら、「ご安心を...当社はビデオ形式の世界地図を持っており、使用する国に適合したモデルを出荷します(日本の場合は NTSC)」との返事でした。
価格は本体 120.00 英ポンド、送料 18.80 英ボンド。合計 138.80 英ポンドでクレジットカードで支払い。国内カード会社からの請求は 23,241 円(1 GBP = 167.442 円)でした。

詳しい仕様はホームページを見てもらうとして、仕様を簡単に説明すると:
・映像入力、出力はコンポジットビデオ信号1系統のみ。
・画面上に表示される情報:  位置(緯度経度 datum WGS84)、高度、移動速度、時刻(UTC のみ) 時刻 ms は4桁(0.1msまで)。
  表示形式は4種類あり、全部表示、時刻のみの表示など。セレクターで選択可能。
・時刻の表示: 日時、時分秒(UTC のみ)、ミリ秒(0.1 ms まで表示) 例: 31/03/23 12:05:10 0345.5
・GPS レシーバー: Ublox NEO-6M Chipset  GPS アンテナは付属しています。
・サイズ: 約 12cm x 9cm x 2cm 箱形。金属ケース。 
・電 源: DC 12V

取り付けは簡単で、カメラからの映像ケーブルの途中にビデオタイマーを挟み込むだけ。GPS アンテナを空が見える場所に設置する必要がありますが、それ以外は簡単でした(接続図参照)。
Watec 902H Ultimate での 720x480@30fps キャプチャーで問題なく動作し、各フィールド(偶数、奇数フィールドの両方)に個々の時刻がスーパーインポーズされました。掲載画像をご参照下さい。
キャプチャー時刻は 0.1ms まで表示されます。各フィールドに記録される時刻の差を計算してみましたが、すべて 16.6 または 16.7ms でした(1/60 sec.=16.666ms)。
まだ使い始めたばかりですが、これからスプライトのキャプチャーでいろいろ試してみようと思います。比較的安価なのに結構凄い性能ですね。ご参考までに...
ITO



VideoTimer_01_720.jpg
 説明:
ビデオタイマー「Precision GPS Time Video Overlay Unit モデル:GPSBOXSPRITE3-U」
接続は簡単でカメラからのビデオ信号を Video In 端子へ入れ、パソコンへのビデオ信号を Vodeo Out 端子から取り出します。
右端は GPS アンテナ。赤いボタンはセレクターで、表示形式を選べます。
 ファイルサイズ:  184.32 KB
 閲覧数:  19601 回

VideoTimer_01_720.jpg



_01_720.jpg
 説明:
ビデオタイマー「Precision GPS Time Video Overlay Unit モデル:GPSBOXSPRITE3-U」 接続図
システムへの組み込みは簡単です。注意すべきは GPS アンテナの設置位置のみ。
 ファイルサイズ:  23.51 KB
 閲覧数:  19601 回

_01_720.jpg



UFO_01_720.jpg
 説明:
稼働中の UFO CaptureHD2 での映像
Watec WAT-902H Ultimate (720x480pixels. 30fps)で動かしています。
 ファイルサイズ:  73.01 KB
 閲覧数:  19601 回

UFO_01_720.jpg



Field01+2_960.jpg
 説明:
取り込んだ画像 連続した2つのフィールドの画像です。
表示されている時刻は 日/月/年 時:分:秒 ミリ秒(ms)。
30fps インターレース映像は 60 フィールド/秒なので、フィールド間の間隔は 16.7ms です。
 ファイルサイズ:  80.95 KB
 閲覧数:  19601 回

Field01+2_960.jpg


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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Sat Apr 01, 2023 7:21 am    記事の件名: Re: コンポジット信号用ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー) 引用付きで返信

貴重な情報ありがとうございます。インタレースの各フィールドに正確なスーパーインポーズができるのは凄いですね。

GPSスーパーインポーザーについてはUFOCaptureの最初の頃、国産品を試したことがあるのですが、その時は幾つかの問題があり、低価格品では常用可能なものが見つからず、断念していました。低価格の良い製品があれば、是非使ってみたいと思っています。

たしか当時の問題点は、
1.衛星ロストが結構な頻度で発生する
2.時刻補正が時々急に不連続に補正される形で、時刻が跳ぶことがしばしば発生した
ということで、結局、時刻が不安定で信用できるかどうかよく分からないということだったと思います。
記憶では...安定した正確な時刻のためにはクオーツの自走時刻をゆるやかな変化でGPSにより補正するフェーズロックループ(PLL)のような仕掛けが必要だろうと思ったのですが、そのような機器は当時100万円以上して手が出なかった ということだったと思います。

もう20年の前の話なので、最近の機器の進歩に期待しています。レポート続編よろしくお願いします。
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ITO



登録日: 2004.08.09
記事: 1304
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Tue Apr 04, 2023 8:49 pm    記事の件名: ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(2) 引用付きで返信

ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(2)

ビデオタイマーを使い始めて約1週間。いろいろ判ってきました。

1.BlackBox ビデオタイマーの表示時刻
このビデオタイマーでスーパーインポーズされる時刻は:
 ・フィールドの録画が始まった時点の時刻なのか?
 ・フィールドの録画が終わった時点の時刻なのか?
という点ですが、製品の説明書中に次のような記述がありました。

「After a field has been exposed it is transmitted as part of the composite video signal. At the start of the transmission of each field the camera generates a vertical synchronisation signal, VSYNC.
The precision time video overlay marks each field with the precise UTC time at which this signal occurs. This time is derived from the 1PPS signal and NMEA data provided by the unit's GPS receiver.
フィールドが露光された後、そのデータはコンポジットビデオ信号の一部として伝送される。 各フィールドの伝送が始まる時点でカメラは垂直同期信号(VSYNC信号)を生成する。
本機(The precision time video overlay)は、この VSYNC 信号が発生した時点の正確な UTC 時刻を各フィールドに表示する。
この時刻は本機のGPSレシーバーが提供する1PPS信号とNMEAデータから導き出されたものである。」(引用終わり)」

「Vsync 信号が発生した時点の時刻を表示する」という事なので、画面に表示される時刻は「そのフィールドの露光の終了時刻」のようです。従って、
 フィールドの開始時刻  = 1つ前のフォールドに表示されている時刻
 フィールドの終了時刻  = そのフィールドに表示されている時刻
という事になります。60 フィールド/sec. の場合、フィールドの終了時刻 ー フィールドの開始時刻 = 16.7ms ですが、実測値でもそのようになっていました。

2. UFO Analyzer での利用について
前回書いたように、このビデオタイマーでは各フィールド毎に時刻が記入されます。
UFO AnalyzerV4 では UFO CaptureHD2 で記録されたデータを読み込んだ場合、フレーム単位で表示されるため奇数フィールドと偶数フィールドが重なって表示されます。
そのため、ビデオタイマーで記録された時刻も重なって表示され、判別不能となってしまいます。
折角のビデオタイマーの「フィールドへの時刻表示機能」なのですが、UFO AnalyzerV4 で活用出来ないのは残念です。
UFO Analyzer に「フィールド表示機能」があれば嬉しいですが...

でも、AviUtl などの動画編集アプリを使用すればフィールド画像を見る事は可能です。AviUtl には「60fps 読み込み」の設定があり、1フィールドを1フレームと見なして 60fps で読み込みます。
この方法で読み込めばフィールド画像(ビデオタイマー時刻も...)をきれいに表示出来ます。

尚、海外の TLE 研究でも光学観測用に Watec の CCD カメラが多く使われています(902HU, 910HX 等)。
多くの場合、25 fps. をインタレース解除(De-interlaced)して 50 フィールド/sec. の記録として解析(時刻 - TLE の方位・仰角のデータ取得など)を行っているようです (欧州の CCIR 規格では 25 fps が標準。日本は EIA 規格で 30fps)。 実際の解析作業には Cartes du Ciel(Sky Chart) などのソフトが使われるケースが多いようですが、これが理由なのでしょうか...

3. GPS 信号のロスト、補正、他
使用経験が浅いのでなんとも言えませんが、これまでは「GPS 信号ロスト」や「不定期な時刻の補正」はないようです。動作はかなり安定していると思います。因みに、当方で捕捉されている衛星数は6〜9個です。

また、一度ビデオタイマーの電源を落とすと正常な時刻の取得に 10 - 20 分位必要です。
通常ならば GPS レシーバーにバックアップ用のボタン電池があって情報を保存するのですが、この装置には入っていないようです。
そのため、毎回電源を切った場合には「コールドスタート」(初期状態からのスタート)となっているのでしょう。

以上、感想でした(続きます)。長文失礼...
ITO



UFOAnalyzerV4.jpg
 説明:
フィールド毎の時刻表示のデータを読み込んだ UFO AnalyzerV4.
フレーム単位での表示となっているので2つの時刻が重なり判読不明となります。
 ファイルサイズ:  89.04 KB
 閲覧数:  19456 回

UFOAnalyzerV4.jpg


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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Wed Apr 05, 2023 6:56 am    記事の件名: Re: ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(2) 引用付きで返信

ITO wrote:

2. UFO Analyzer での利用について
前回書いたように、このビデオタイマーでは各フィールド毎に時刻が記入されます。
UFO AnalyzerV4 では UFO CaptureHD2 で記録されたデータを読み込んだ場合、フレーム単位で表示されるため奇数フィールドと偶数フィールドが重なって表示されます。
そのため、ビデオタイマーで記録された時刻も重なって表示され、判別不能となってしまいます。
折角のビデオタイマーの「フィールドへの時刻表示機能」なのですが、UFO AnalyzerV4 で活用出来ないのは残念です。
UFO Analyzer に「フィールド表示機能」があれば嬉しいですが...

もう20年程前の話なので、お忘れなのかもと思いますが、UFOシリーズは 当初からインタレース信号のフィールド毎表示と分析に対応していてます。
UFOAnalyzerV4ではProfile/Analyzeシートのintc(interlace)がオンになっている必要があり、
その場合、ViewシートのD.I stepping (DeInterlace Stepping)をオンにするとフィールド毎に表示ができます。
その際、奇数フィールドと偶数フィールドのとちらが時間的に前のものかを正しく指定して必要があり、これがbbfです。
偶数フィルードと奇数フィールドの数え方も上から数える人と下から数える人(さらには0から始める人と1から始める人)がいて、世の中で混乱しているので、
UFOシリーズではBBF として画面の最も下のラスターを含むフィールドが時間的に前のものをBBF=オンと設定する方法となっています。
過去判明している範囲では USBキャプチャデバイスの場合はBBF=0(オフ)でIEEE1394キャプチャデバイスの場合はBBF=1(オン)です。

InterlaceとBBFの指定は通常キャプチャ時に設定しているものが自動的に引き継がれますが、UFOAnalyzer側でも変更可能な筈です。
UFOCaptureHD2ではInputシートの Interlace と BottonFieldFirstがそれです。 BottonFieldFirstがBBFのことです。

が、UFOAnalyzerV4でこのBBFの扱いにバグがあって、先日、V4.22で修正されています。最新版をご使用下さい。

Interlace/intcとBottonFieldFirst/bbfの設定でインタレース信号が正しく分析できるようになり、D.I.Steppingの設定で、それが正しく表示できる思うのですが、どうでしょうか

露光と時刻の関係、とても大事なことと思います。
...あと、最近のデジタル処理内蔵カメラではカメラ内部でフレームの遅延があるかもとちょっと気になります。
続編がありそうとのことで、期待しております
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ITO



登録日: 2004.08.09
記事: 1304
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Fri Apr 07, 2023 11:29 pm    記事の件名: ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(3) 引用付きで返信

ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(3)

SonotaCo さん、いつも有益なご教示ありがとうございます。
UFO シリーズでのフィールド表示の件、そう言えばそうでした。水滴の撮影にハマった事もありましたっけ...(遠い目...)

そんな訳で UFO AnalyzerV4 v4.22 を使っていろいろやってみました。結論から言えばフィールドは問題なく表示されたのですが、フィールド表示の順番にちょっと不思議な点もありました。

システム: 
Watec 902H2 Ultimate + Tamron8mmF1.4 IO Data GV-USB2 を使って USB 経由で取り込み。解像度 720x480@29.97fps
UFO CaptureHD2 v4.79  Interlace ON BottomFieldFirst ON/OFF 切り替え
UFO AnalyzerV4 v4.22 常に D.I.Stepping ON

1.ビデオタイマーを使用しない場合、
まず最初にカメラからパソコンへ直結してキャプチャーを行い、(ビデオタイマーを使用為ない状況で)フィールドの表示が可能かどうか確認しました。その結果:

・UFO CaptureHD2 Interlace ON, BottomFieldFirst(bff) OFF でキャプチャー → UFO AnalyzerV4 フィールドは順番通りに表示される。自動的に bff OFF
・UFO CaptureHD2 Interlace OF, BottomFieldFirst ON でキャプチャー → UFO AnalyzerV4 フィールドは順番通りに表示される。自動的に bff ON

ビデオタイマーを使用しない場合、UFO AnalyzerV4 で問題なくフィールドの表示が出来ました。フィールドの順番も問題なし。

2.ビデオタイマーを使用した場合
今度はカメラとパソコンの間に「ビデオタイマー」を入れて時刻を表示させながらキャプチャーしてみました。
変更した条件は BottomFieldFirst の ON と OFF です。Interlace は常に ON。

2.1 UFO CaptureHD2 Interlace ON, BottomFieldFirst OFF の設定でキャプチャーした場合
UFO AnalyzerV4 でフィールド単位で動画を表示させた場合(D.I.Stepping ON)、フィールドが順番通りに表示されず、前のフィールドが表示されたり、後ろのフィールドが表示される現象が発生! これはどの動画でも発生しました。
しかし次の回避策を行う事により正常に表示されました。
・bff ボタンを ON → クリックでデータを選択。この操作により正常に表示されるようになりました。但し、この操作は毎回行う必要があります。

2.2 UFO CaptureHD2 Interlace ON, BottomFieldFirst ON の設定でキャプチャーした場合
UFO AnalyzerV4 で最初に選択した動画でのみフィールドの順番がおかしくなりました。次に他の動画を表示させると正常に表示され、その後は(何か操作しなくても)すべて正常に表示されました。

以上のように、ビデオタイマーの時刻がインサートされたキャプチャーデータ(動画)を UFO AnalyzerV4 でフィールド単位で表示させると、上記のような若干の不具合が出ますが、回避策を取れば正常に表示されました。
フィールド単位での解析作業は日常的に行うものではありませんが、スプライトやブルージェット/ブルースターターなどの現象の解析には必須です。
UFO AnalyzerV4 で「GPS 時刻+フィールド表示」が可能という事は学術的に非常に有意義な事だと思います。どうもありがとうございます! 
このお題でもう少し続くかも......
ITO



Field_UFOAnalyzer422.jpg
 説明:
UFO AnalyzerV4 ver.422 でフィールドの表示
D.I.Stepping を ON にすると即座にフィールドが表示されるようになります。
これで各フィールドの GPS 時刻が明確に表示されるようになりました。素晴らしい!!
 ファイルサイズ:  87.09 KB
 閲覧数:  19325 回

Field_UFOAnalyzer422.jpg


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登録日: 2004.08.07
記事: 12653
所在地: 139.67E 35.65N

記事日時: Sat Apr 08, 2023 6:49 am    記事の件名: Re: ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(3) 引用付きで返信

ITO wrote:
結論から言えばフィールドは問題なく表示されたのですが、フィールド表示の順番にちょっと不思議な点もありました。

毎度細かいレポートありがとうございます。一応動いているようでホッとしました。

ビデオタイマーの使用で、bffが変わるとは驚きました。ビデオタイマーの中でフレームとフィールドの関係が組み換えられているということだろうと思いますが、やはり相当"凄い"ものだと思います。
(多分2フィールドを一度蓄積している可能性もあると思うので機器を通すことでPCに入るビデオでは遅延が発生しているかもと思います。時刻はスーパーインポーズされているということで問題ないのですが)

ITO wrote:
UFO AnalyzerV4 で最初に選択した動画でのみフィールドの順番がおかしくなりました。次に他の動画を表示させると正常に表示され、その後は(何か操作しなくても)すべて正常に表示されました

これはWindowsのDirectShowの昔からのバグで、どうにもならない問題と思います。最初の1回だけなので、お許し下さい

私も購入して安定性など調べてみたくなりました。今はちょっと時間がないので困りますが...
----------------------
オーダーしてみました。 NTSCカメラは少ないのですが、まだ2台稼働しているので定常運転の中で試せます。今後はHDMIの2Kとか4K版が是非欲しいですが、HDMIカメラは絶対内部でバッファを持っているので、外部でのスーパーインポーズでは時刻のずれが出ます。GPS入力できるカメラも話を聞いたことがあるような....。
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ITO



登録日: 2004.08.09
記事: 1304
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Sun Apr 16, 2023 7:30 pm    記事の件名: ビデオタイマーご紹介(4) 表示時刻の精度について 引用付きで返信

ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(4)  表示時刻の精度について

ビデオタイマーが表示する時刻(GPS 時刻)がどれ位正確なのか 1PPS 信号を使って調べてみました。

GPS 衛星は位置時刻情報を含んだ測位信号とは別に 「1PPS」(1 pulse per second) というパルス信号を出力しています。
これは UTC の正秒時(各秒のミリ秒が 000 の時点)に送信されるパルス信号で、誤差は ns(ナノ秒)クラスとの事(非常に正確です)。

市販されている GPS 受信機キットには 1PPS 信号を受信した時にそれと同期して基板上の LED を点滅させる機種があります。
その LED をビデオタイマーにつないだ Watec でキャプチャーし、LED がちょうど点灯したフィールド(以降 点灯フィールド)に表示されている GPS 時刻を読み取ればそれから GPS 時計が UTC からどれ位ズレているかが判る筈。

露光終了時刻について
NTSC 29.97fps で撮影した時、1フィールドの長さは 1/59.94fps =0.01668 sec。60 フィールド進むと 1.0010 sec となり、フィールド・時刻の関係は 1.0ms 進む事になります。
従って 1PPS LED 発光を連続して撮影すると1回光るたびに露光終了時刻は 1.0ms 進む事になります。

もし LED がフィールドの最後部で点灯したとするとそのフィールドの露光終了時刻は 000.0ms になります。
その次の点灯フィールドでは 1.0ms 遅れるので、そのフィールドの露光終了時刻は 001.0ms となります。次の点灯フィールドでは 002.0ms に。
このように露光終了時刻はだんだんズレてきて 016.0ms まで進むと次の点灯フィールドでは 000.3ms となり、その次は 001.3ms へ...
その結果、露光終了時刻は 000.0 - 016.7ms の間を1.0ms 間隔でグルグル周回する事になります。
その事より、遅延がゼロとしたの場合の各時刻の平均値は: 露光開始時刻 = 991.6ms  露光終了時刻 = 008.3ms  中央値 = 000.0ms

結果:
LED の点滅を10 分間キャプチャーし、これを4回繰り返しました。その後点灯フィールドを拾い出して表示時刻を読み取ります。
点灯フィールドにおける GPS 時刻の平均値(n=1200):
  露光開始時刻(平均)    991.5ms   計算値 991.6ms
  露光終了時刻(平均)    008.2ms   計算値 008.3ms
  フィールドの中央値(平均) 999.6ms   計算値 000.0ms

UTC 正秒 000.0ms に発光した LED に対し、ビデオタイマーは時刻 999.6ms(平均)を表示した事になります。

スーパーインポーズされた GPS 時刻(露光終了時刻)は良い精度(誤差 1ms 以下?)を持っている事が判りました。
Watec カメラ + ビデオタイマー GPSBOXSPRITE3-U のシステムはなかなかの優れ物のようです。
以上、参考になれば幸いです。次は FHD で同じ測定を...
ITO

PS. ちょっと古いネット情報ですが、海外の天文分野で広く使用されているビデオタイマー(Video Time Inserter VTI とも呼ばれている)は
 ・BlackBox Camera 製 GPSBOXSPRITE
 ・Video Timer 製 IOTA-VTI V3
との事。共にコンポジット信号(PAL, NTSC)ですが、IOTA-VTI は現在販売停止中のようです。



GPSReciever_720.jpg
 説明:
測定に使用した GPS 受信機
秋月電子 GPS 受信機キット+ FT234X USBシリアル変換モジュール。
左側が GPS 受信機、右側のはシリアル・USB 変換ボードです。1PPS 信号に同期して LED が点滅します。
 ファイルサイズ:  200.97 KB
 閲覧数:  19138 回

GPSReciever_720.jpg



Light-ON_720.jpg
 説明:
LED が点灯したフィールド
画面中央の LED が点灯している事が判ります。
このフィールドの露光終了時刻が 14:45:48 004.6。
 ファイルサイズ:  119.17 KB
 閲覧数:  19138 回

Light-ON_720.jpg



Light-OFF_720.jpg
 説明:
LED が点灯する1フィールド前の画像
表示されている時刻はこのフィールドの露光終了時刻 = 次のフィールドの露光開始時刻 です。
 ファイルサイズ:  114.58 KB
 閲覧数:  19138 回

Light-OFF_720.jpg



Result_01_720.jpg
 説明:
測定結果
4回測定を行い、その露光時刻、フィールド幅、中央値の平均値を求めてみました。
その結果、測定結果は計算値(UTC とのズレがない場合)と比較してかなり近い数値である事が判ります。
 ファイルサイズ:  60.16 KB
 閲覧数:  19138 回

Result_01_720.jpg


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ITO



登録日: 2004.08.09
記事: 1304
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Wed Apr 19, 2023 12:32 am    記事の件名: ビデオタイマーご紹介(5)  表示時刻の精度について(FHD) 引用付きで返信

ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介(5)  表示時刻の精度について(FHD)

前回の 1PPS 信号を利用した GPS 時刻の精度に関する報告の続きで、今回は Panasonic DC-GH5s と HDMI 接続のビデオタイマーを使って行いました。

方法: 前回と全く同じで GPS 受信機の 1PPS シグナルを使用しました。

測定に使った装置: 
・カメラ     : Panasonic DC-GH5s(ローパスフィルター除去) FHD(1920x1080p@59.94fps)で 1PPS シグナルをキャプチャー。
・ビデオタイマー : セプロテック社 TM-10 特注品 カメラ、PCとは HDMI 接続。

結果:
点灯フレームにおける GPS 時刻の平均値(n=880):
  露光開始時刻(平均)    072.1ms    計算値 991.6ms
  露光終了時刻(平均)    088.6ms    計算値 008.3ms
  フィールドの中央値(平均) 080.4ms    計算値 000.0ms

正秒 000.0ms に発光した LED を GPS 時刻は 080.4ms と表示した事になります。

前回のテストでは Watec 902H2 Ultimate は非常に低遅延で、スーパーインポーズされた GPS 時刻は UTC 正秒(000.0ms)とほぼ同期していましたが、今回の GH5s を使用したテストでは GPS 時刻は約 80ms(約5フレーム)の遅延がありました。恐らくこの遅延の主たる原因は GH5s 内部の露光 → カメラからの信号出力の工程で遅れが発生しているためだと思われます。カメラの内部では映像信号の圧縮や変換処理、HDMI へ送り出すための蓄積(バッファリング)などがあり、これが遅れを引き起こしているのでしょう。

HDMI 出力には遅延がある事はカメラの取扱説明書にも記載があり、ネット情報でもデジタルカメラの HDMI 出力の遅延(Latency)は話題になっていて、Sony A1 では約 100ms, GH6 では4〜6フレーム(69 - 100ms)の遅延が報告されていました。
ITO



Light-ON_720.jpg
 説明:
LED が点灯したフレーム
 ファイルサイズ:  101.99 KB
 閲覧数:  19051 回

Light-ON_720.jpg



Light-OFF_720.jpg
 説明:
LED が点灯する1フレーム前の画像
 ファイルサイズ:  100.2 KB
 閲覧数:  19051 回

Light-OFF_720.jpg



TheResult_GH5s_720.jpg
 説明:
測定結果
GPS 時刻に約 80ms の遅延がある事が判ります。
 ファイルサイズ:  66.04 KB
 閲覧数:  19051 回

TheResult_GH5s_720.jpg


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登録日: 2004.08.09
記事: 1304
所在地: 東京都杉並区浜田山

記事日時: Sun May 28, 2023 11:11 am    記事の件名: IOTA-VTI v3 (1) 引用付きで返信

ビデオタイマー(ビデオ・スーパーインポーザー)ご紹介!(2−1) IOTA-VTI v3

世界中で広く使われている?というもう一つのビデオタイマー 「IOTA-VTI v3」 を購入しましたので紹介します。

製造・販売: Video Timers 社 https://videotimers.com/home.html
製品の詳細: https://videotimers.com/details.html

IOTA-VTI v3 は前回紹介した BlackBox 社製「GPSBOXSPRITE3」と基本的には同じ機能で、コンポジットビデオ信号に種々の情報を各フィールド単位でスーパーインポーズする事が出来ます。
・サイズ: 132 x 160 x 40 mm プラスティック外装。
・GPS unit : US Global Sat EM-406A
・表示: 位置(緯度・経度)、高度、時刻 UTC:yyyy-mm-dd hh:mm:ss.xxxx マイクロ秒は 0.1ms まで表示可能。

注文は上記の製品販売ページ(Order)から可能で、ビデオタイマー単体(US$249)、ビデオタイマー+外部アンテナ(US$274)、カメラなども含めたキット(US$555)の3種類あり。
当方はビデオタイマー+外部アンテナを注文しました。
送料は DHL 便で US$120。発注後約1週間で到着しました。購入個体のバージョンは v3.2.680 基盤バージョン v3.8 でした。
支払いは PayPal のみですが、登録すればクレジットカードで支払い可能です。費用総額 US$ 369$(約 5.2万円)。これに消費税 4.600 円を DHL に支払いました。合計で約 5.7 万円。

使用前の設定は特に必要なく、そのまま使えました。NTSC - PAL の切り替えは基板上のディップスイッチで可能です。
システムへの組み込みは簡単で、カメラからのケーブルを Video-IN へ、パソコンへは Video-OUT からつなぎます。GPS 外部アンテナは空が見える場所に設置しました。
電源は DC12.0V です(電源アダプターは付属しておりません)。

BlackBox 製 VTI と異なる点としては:
・電源 LED、1PPS LED、カメラ LED がある。電源スイッチはありませんが、電源が入っているかどうかが LED で判ります。
・GPS Unit の設定保存用バックアップ電池(CR2032)を内部に装着可能。これにより電源 ON からの GPS Fix(衛星捕捉)時間が短くなります(1分以内に準備 OK になります)。

・画面表示は「Position」と「Time」の2つのみで、前面のスライドスイッチで切り替えます。表示内容は:
 「Position」: 捕捉衛星数、HDOP、UTC 時刻、位置情報:緯度経度(WGS84)、高度、内部 CPU のクロック数、NTSC/PAS 表示、カメラからの VSync 信号のクロック、アンテナ(内部・外部)等
 「Time」: GPS Fix 状態、捕捉衛星数、日:時間:分 マイクロ秒(4桁 0.1ms まで)、電源ON からの総フレーム数。

UFO CaptureHD2 上のマイクロ秒の表示方法は BlackBox VTI とは異なり、各フィールドでのマイクロ秒が左右に並んで表示されるスタイルです。
そのため(デインタレースしていない)フレーム表示の場合でもマイクロ秒表示が重なりません。画像参照の事。

早速 Wat-902H2 Ultimate + IOData GV-USB2 のシステムにつないでみました。設定:720x480pixel @ 29.97fps
特に問題もなく稼働し、GPS Fix や Time/Position の切り替え動作もスムースです。
GPS との通信が切れたりした時などはエラーメッセージが表示されますが、これまではエラー報告はなし(稼働4日目)。動作はかなり安定していると思います。(続きます)
ITO



IOTA-VTI_720.jpg
 説明:
購入した 「IOTA-VTI v3」
付属品は外部アンテナ、説明書のみ。DC12V 電源は付属しません。
 ファイルサイズ:  116.78 KB
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IOTA-VTI_720.jpg



IOTA-VTI_Front-BackP_960.jpg
 説明:
IOTA-VTI の前面パネル、後面パネル
前面には電源 LED, 1PPS LED, カメラ LED、Time/Position 切換スイッチ、Full screen スイッチがあります。
後面にはビデオ In/Out 端子、GPS 外部アンテナ端子、reset ボタン、電源端子など。
 ファイルサイズ:  137.55 KB
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IOTA-VTI_Front-BackP_960.jpg



IOTA-VTI_Time_01_720.jpg
 説明:
IOTA-VTI v3 稼働中の UFO CaptureHD2 v4.79 画面(TIme 設定)
「Time」設定時の画像。同一フレーム内にある2つのフィールドの最終露光時刻が並んで表示されます。
左端の F8 は F - GPS Fix、8 は捕捉衛星数です。
 ファイルサイズ:  96.02 KB
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IOTA-VTI_Time_01_720.jpg



IOTA-VTI_Position_01.jpg
 説明:
IOTA-VTI v3 稼働中の UFO CaptureHD2 v4.79 画面(Position 設定)
「Position」設定時の画像。位置情報(WGS84)、高度、UTC、HDOP、NTSC/PAL 等が表示されます。
 ファイルサイズ:  106.85 KB
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IOTA-VTI_Position_01.jpg



IOTA-VTI_UFOAnalyer_60fps.jpg
 説明:
UFO AnalyzerV4 v422 画像 D.I.Stepping ON(デインタレース)
フィールド表示設定では、各フィールドにはそのフィールドの最終露光時刻のみが表示されます。
 ファイルサイズ:  99.25 KB
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IOTA-VTI_UFOAnalyer_60fps.jpg


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