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T.Nakamori
登録日: 2023.12.16 記事: 4 所在地: 北海道 札幌市
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日時: Thu Dec 21, 2023 9:02 am 記事の件名: 永続痕の継続時間について |
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初めて投稿します。先日、ふたご座流星群の極大日に散在流星の永続痕を撮影しました。継続時間が72分と長かったので報告します。
流星の出現時刻は12月15日1時13分?15分、最後に痕を確認したのは2時25分?27分でした。撮影場所は北海道帯広市拓成町、日時は2023年12月14?15日21時?4時、ガイド撮影で2分間露出を連続、機材はGFX50s+23mmF4/ISO2500。
家に戻って、明るい流星が写っていないかな、とJPEG(RAWでも撮影)をパラパラと見たときに「妙な雲」が写っているな、という印象を持ちました。雲を辿ると流星が流れていて永続痕と気づきました。流星は暗いです。画像からは2等級以下に見えました。fps1の動画にしてみると、長い痕の中央付近から北西方向に移動する「丸い痕」は、まるで「イルカの気泡バルブ」のようで印象的でした。
お聞きしたいことは、?暗い流星でも継続時間が長い永続痕が残ることは稀ではない?、?これまでに観測された最長の永続痕の継続時間について、以上です。よろしくお願いいたします。
説明: |
動画の添付を試みましたが、投稿が受け付けられず、模式図を添付します。 |
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ファイル名: |
.jpg |
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910.59 KB |
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47 回 |
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SonotaCo Site Admin
登録日: 2004.08.07 記事: 12674 所在地: 139.67E 35.65N
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日時: Thu Dec 21, 2023 11:07 am 記事の件名: Re: 永続痕の継続時間について |
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投稿ありがとうございます。空の良さがわかるような素晴らしい星野写真で、見とれました。
T.Nakamori wrote: | 暗い流星でも継続時間が長い永続痕が残ることは稀ではない? |
ビデオ観測では極めて明るい流星以外痕は殆ど映らず、永続痕が映ることは極めてまれですが、これには理由があります。
それは同じ限界等級の撮影でも、感度(ISO/F)が高く露光時間が短い撮影(ビデオ観測)と感度が低く露光時間が長い撮影(スチル撮影)では対象の移動速度によって全く見え方が違い、
流星はビデオ観測では明るく映りますが、スチル撮影では大変暗くしか写りません。
ということで、この写真の流星が2分間露光の恒星と比較した2等級という明るさより遥かに明るかったのではないかと想像できます。
ちなみに、流星の等級は同じ露光時間(流星がほぼ止まって映る1/30秒程度の時間)での恒星の等級と比較して決めるという方法が普通になっています。
ビデオ観測では 例えば ISO=10000, 露光時間t=1/30秒、F値=1.0 として 瞬時の感度はISO/(F**2)=10000で、露光の感度は t*ISO/(F**2)=330 です。
今回の撮影は ISO=250 露光時間120秒 F値=4とのことで、ISO/(F**2)=15.6, t*ISO/(F**2) = 1875 なので
流星の対する感度は ビデオ観測の1/641, 恒星や痕に対する感度は5.7倍 ということになり、
ビデオ撮影上での比較に比べて、この静止画の流星の明るさの対恒星比は光量にして1/3600程度に暗く写っているということになります。... あっているかな?
というわけで、痕は明るい流星でのみ残るという経験則はありますが、露光時間の長い静止画では議論が難しいということだと思います。
永続痕の最長の長さの記録は... すみません詳しい方お願いします。
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T.Nakamori
登録日: 2023.12.16 記事: 4 所在地: 北海道 札幌市
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日時: Thu Dec 21, 2023 11:43 am 記事の件名: 御礼 |
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SonotaCoさま、早速のご返信とご教示、ありがとうございます。
ビデオ観測とスチル撮影での流星の明るさの見え方が大きく異なるとのご教示、勉強になりました。今回は実際に流星が流れるところを見ていなかったので、流星の光度は写真を見て判断せざるを得ませんでした。眼視観測のように周辺の恒星の明るさと比較はできない、ということを理解しました。であれば、今回の永続痕を残した流星もかなり明るかったのかもしれません。
永続痕の継続時間も、観測条件によって変わってくると想像しています。今回は空の条件が良かったことと、広角レンズ&同一写野で連続撮影したことで、流れていく永続痕を識別しやすかったことも、長くを追えた要因ではないかと考えています。ただ、同じような撮影方法で観測を続ければ、継続時間が60分よりも長い永続痕をキャッチするのは稀ではなくなるかも、とも感じています。
以上、取り急ぎ御礼まで
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2762 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sat Dec 23, 2023 11:31 am 記事の件名: |
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T.Nakamori さんへ
前田です。
きれいな写真ありがとう。
最近の流星のカメラでの撮影事情は詳しくありませんが、F4/ISO2500とは、
かなり、低感度での撮影と思います。そのため流星が暗く写って見えるだけで、実際の流星はかなり明るかったと想像できます。
おおざっぱに言えば、貴方が実際に見た流星が、写真で何等に写っているかがわかれば、その比(差)を使って、今回の2等に写った流星が 何等ぐらいだったかわかります。(画像処理前の状態で)
痕の明るさと流星の明るさですが、普通は、-3等ぐらいでも永続痕は肉眼では見れません。今回は2分露出なので、明るく写ったのだと思われます。もちろん空の暗さもあります。
動画は無理でも、痕の静止画を見たいですね。かなり圧縮しないとアップできないと思います。
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T.Nakamori
登録日: 2023.12.16 記事: 4 所在地: 北海道 札幌市
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日時: Sat Dec 23, 2023 7:09 pm 記事の件名: 永続痕の動画 |
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前田 様
ご返事とご教示、ありがとうございます!
流星痕の発光メカニズムについて、友人が文献を教えてくれました。天文学会発表のサマリーです(以下、釈迦に説法で失礼いたします)。
https://www2.jpgu.org/meeting/2002/pdf/j015/j015-p004.pdf
これを読むと、永続痕のスペクトルは輝線スペクトルではなく連続スペクトルで、化学ルミセンスによるものではないか、とのこと。エネルギーの供給源なしに長時間発光しているので納得できる内容です。
面白いと感じたのは、それが割と長時間、大きく拡散しないで移動していたことです。
前田さんがご指摘の通り、永続痕の最後の方は非常に淡いので、今回は2分という露光時間が功を奏したのだと思われます。
露光がそれよりも長いと移動が大きくて塊として認識できないし、短いと写らない。そんな絶妙な撮影条件だったのでしょうか?
次回、もし機会があれば、もう少し感度をあげて1分くらいの連続露光時間で撮影してみたいと思います。
以上、取り急ぎ御礼まで
説明: |
動画をさらに粗くして投稿してみます。上手く見ていただければ良いのですが…。 |
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ファイル名: |
20231215.mp4 |
ファイルサイズ: |
2.16 MB |
ダウンロード回数: |
34 回 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2762 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sun Dec 24, 2023 1:39 am 記事の件名: |
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T.Nakamoriさんへ
前田です。
動画ありがとうございます。
最初の方ははっきり見えますが、後半は淡いですね。
流星痕は、焦点距離にもよりますが、細かな部分を撮そうとすると1秒から4秒ぐらいの露出がおすすめです。
流星痕の拡がりは、始め一定の速度で拡がりますが、まわりの大気の抵抗で膨張は止まり、上空の風に流されるだけになります。
大昔のものですが、望遠レンズで動画で撮ったものをのせておきます。
8倍速にしてあるので、注意してください。
説明: |
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ダウンロード |
ファイル名: |
20011119_014429maeda_LEOx8.mp4 |
ファイルサイズ: |
5.98 MB |
ダウンロード回数: |
39 回 |
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T.Nakamori
登録日: 2023.12.16 記事: 4 所在地: 北海道 札幌市
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日時: Sun Dec 24, 2023 7:30 am 記事の件名: |
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前田 様
ご返信とご教示、ありがとうございます!
前田 wrote: | T.Nakamoriさんへ
流星痕は、焦点距離にもよりますが、細かな部分を撮そうとすると1秒から4秒ぐらいの露出がおすすめです。 |
素晴らしい映像を見せてくださり、ありがとうございます。400mmF2.8+I.I.の威力は凄いですね!流星痕の細かい動きが分かります。流星を待つ根気と、出現したら瞬時にフレーミングして、かつ露光中には静止する技術が必要ですね。
前田 wrote: | T.Nakamoriさんへ
流星痕の拡がりは、始め一定の速度で拡がりますが、まわりの大気の抵抗で膨張は止まり、上空の風に流されるだけになります。 |
今回はそのような状態を撮影していた、と理解しました。上空100kmの高層大気の動きは、流星痕というきっかけがないとなかなか意識できない空間です。痕は発煙筒のような存在ですね。今回、偶然に永続痕を撮影したことで、高層大気には流星がもたらした物質が結構な密度で漂っているのでは、と想像することができました。
以上、取り急ぎ御礼まで
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