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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Fri Jan 15, 2016 1:30 am 記事の件名: SPE スペクトル |
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前田です。
今回は、9月のペルセウス群(SPE)のスペクトルを紹介します。
この群もHYDと似て、眼視観測ではそれほど目立ちませんが、ビデオ観測では
捕らえられる数が多く、存在感があります。2015年は11個撮影できました。明るい流星が多いのが特徴です。また、今回のスペクトルにもありますが、経路の末端で増光する光度変化をすることが、よくあります。
スペクトルも見てわかるように、明るく見栄えがします。Na/Mgは、Naがやや強い傾向があり、4つとも同じ傾向でした。これは、並べてみて初めて気がつきました。Naの比が20から60%はノーマルタイプと分類されます。明るい流星ではFeの輝線も見えています。
上から2番目のスペクトルはNaのライトカーブがMgと一致していませんが、このようなものが多いわけではありません。上から3番目の流星のライトカーブがいったん途切れていますが、これは雲のためのようです。
Vgは64km/sと速いので、O557nmの短痕は出現するものが多いですが、ほぼ同じ速度のCOMに比べると短痕の強度は弱い感じがします。
説明: |
SONY α7s + 24mm +600本グレーティング
光度は上から -2.2, -1.8以上,-2.8, -1.8等。
0次が写っていないものは、スペクトル線からの見積もりなのでかなり怪しいです。 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Fri Jan 15, 2016 11:59 pm 記事の件名: LEO スペクトル |
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前田です。
しし群(LEO)のスペクトルです。有名な群ですが、最近は出現数も多くなく撮りにくくなってきています。2015年は、この一つしか撮れませんでした。
Na/Mgは、Mgの方がやや強いですが、ノーマルタイプ。この流星はNaのライトカーブが消滅点側で急に暗くなっていて、Mgの半分ぐらいしかありません。1例しか無いので、群としての特徴かはよくわかりません。
速度が速いので、Oの557nmの輝線が強めで長く写っています。
説明: |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sat Jan 16, 2016 12:17 am 記事の件名: CAPスペクトル |
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前田です。
今回は、やぎ群(CAP)のスペクトルをまとめました。この群は出現数はそれほど多くありませんが、火球クラスの明るい流星が出現することがあります。速度は23km/sと遅いです。2015年は6個捕らえられました。
このスペクトルは、観測は初めてすぐのもので、4Kですが、24pで撮影したものです。
上の2つは終端で小爆発しています。明るさにかかわらず、Na/MgはややNaの方が明るいことで一致してます。ノーマルタイプです。
説明: |
上から -1.2,-1.9, -1.5 等とUFOAで計算されていまず。3枚目はもう少し暗くみえます。
3枚とも月が近くにおり背景の明るさを下げて、コントラスをあげています。 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sun Jan 17, 2016 2:00 pm 記事の件名: MON スペクトル |
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12月中旬のMON (いっかくじゅう座流星群)
この時期大中の流星群がひしめていているので、あまり知名度はありません。
群判定も難しいです。
Vgは42km/sと中速かやや速く、四分儀群と同じぐらいなので、明るければO577nmの短痕のスペクトルも見えるはずです。どちらも暗いのですが、Mgの輝線しか見えずこれが特徴かもしれません。
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sun Jan 17, 2016 2:02 pm 記事の件名: AUR スペクトル |
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9月初旬のAUR(αぎょしゃ座流星群)
以前にも載せていますが、整理していると2つあったので、まとめておきます。
出現期間が短く、出現数も安定していないのですがスペクトルが撮れました。1点観測で
群判定にやや不確さが残ります。
Vgは66km/sと非常に速く、O577nmの短痕のスペクトルも見えています。上のものは、薄明中ですが、Naが全く見えないNa-poorタイプと思われます。下のものは、NaもMgと同じぐらい見えているのでノーマルタイプです。
説明: |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Mon Jan 18, 2016 12:30 am 記事の件名: NTA スペクトル |
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おうし座北流星群(NTA)は、10月中旬から12月中旬まで続く、長大流星群。ほんとに一つの群なのかという問題もあるが、さらに複雑なのがアンチヘリオン流星源との関係。このあたりを解く鍵がスペクトルにあればおもしろい。
2015年はこの群の予想輻射点から流れた17個のスペクトルが得られた。1点観測からの群判定なので、このうちSTAの可能性のあるものを除いた中から下のスペクトルを選んだ。
Vgは29km/sと遅いので、O577nmの短痕のスペクトルは現れない。速度が遅くなるとNa/Mgの比にも影響が出てくるそうだが、同じ群なのでその効果は考えなくてよい。
全般的に明るい流星が少ないが、上から1番目はMgの方が明かに強いNa-poorタイプ、3番目はNaの方が明かに強いNa-enhancedタイプ(Na/(Mg+Na)が60-75%)、2番目と4番目はNaとMgがほぼ等しいノーマルタイプと分かれた。これ以外に、
http://sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=3065&postdays=0&postorder=asc&start=105
この火球もNTAだった。これもNaの方が明るいがノーマルタイプだろう。
説明: |
明るさは、上から -0.3以下, 0.3以下, -1.4, -1.1等。 0次が写っていないものは、明るいスペクトルで代用しているので、下限となる。
上から3番目のスペクトルは、場所の関係で、ー1次のものを反転して載せてあります。 |
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最終編集者 前田 [ Tue Jan 19, 2016 1:10 am ], 編集回数 1 回 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Tue Jan 19, 2016 1:06 am 記事の件名: STA スペクトル |
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宮崎の前田です。
おうし座南流星群(STA) は、9月下旬から12月下旬まで続く。NTAとは、10度以上離れているので分離は可能だが、1点観測なので判別できない流星もある。
2015年はこの群の予想輻射点から流れた44個のスペクトルが得られた。その中からほぼ確実にSTAと思われるものから下のスペクトルは選んだ。
Vgは27km/sと遅い。NTSに比べると流星数も多いこともあり、明るい流星も多くスペクトルが見やすい。すべての流星でNaの方がMgより強いが、これぐらいの差では、すべてノーマルタイプと思われる。
NTAほどのばらつきがでなかったのは、群の特徴か。サンプル数を増やしたいが、そのためには2点観測で群の同定ができる場所での観測が必要となる。
説明: |
明るさは上から-0.6,0.4,-1.6, -1.0 等 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Fri Jan 22, 2016 12:44 am 記事の件名: Na-free タイプ |
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私がスペクトルの分類で参考にしているBorovickaらの論文によると、NaのMg+Naに対する強度比が10%以下の流星がNa-free タイプとなっている。
ここで使っているグレーティングではNaとMgで約30%の感度差があることも考慮して選んだ。Naの輝線は、ほとんど見えない。全流星スペクトルの約3%しかなく、割と珍しいタイプ
一番上の流星はSDA群と思われ、MgとFeがはっきり見えている。他は、Feは見えても痕跡程度であった。GEM群もある。あまり明るいものが無かった。
意外に散在流星のものが少ないのは興味深い。
説明: |
上から群と光度
SDA -0.5
NTA -0.7
spo -1.3
NOO -0.3
GEM -0.6 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sat Jan 23, 2016 12:47 am 記事の件名: Na-poor タイプ |
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前田です。
Borovickaらの論文によると、NaのMgに対する強度比が10-75%の場合をmainstoreamと呼ぶが
その中でも10-20%の流星をNa-poor 型と呼ばれている。今回まだ、強度比を定量的に調べていないので、目分量で分類した。今後正確に、定量したら変わることもあり得る。
全部で約35個あり、全体の約10%。下の画像では酸素の557nmの線が見えているものが3つあるが全体の割合でも多い。
オレンジ色の成分が少ないので肉眼でも多分青く見えるのでは、ないだろうか。
説明: |
上から順に群と光度
BPI -1.0
spo -1.3
spo -1.3
ORI -1.2
GEM -1.3 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sat Jan 23, 2016 10:23 pm 記事の件名: Normal スペクトル |
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前田です。
NaのMg+Naに対する強度比が10-75%のスペクトルをmainstoreamと呼ぶが、その中でも約20-60%の流星は、Normal型と呼ばれている。
名前の通りもっとも普通のスペクトルで、撮影できたスペクトルの半分、分類可能なの輝線が見られるスペクトルでは7割はこのタイプとなる。
明るい流星も多いので、選んでみたら0次のスペクトルが写っていないものが多くなった。従って、下の流星光度はかなり暗
めに見積もられており、すべて火球クラスと思われる。
スペクトルを眺めてみると、Naが少し明るいものが多い感じ。Mgの付近に細かい緑の線がたくさん見えているが、
これらはほとんどFeの線。実は、このFeの割合が少ないFe-poorタイプというレアなスペクトルもあるが、流星の速度によって、
その強度の割合が変わるので、1点観測からは判別ができない。
説明: |
spo -3.0 -1次を反転
COM -2.7
spo -2.6
ORI -2.4
spo -2.3
0次の写っていない光度は、スペクトル線から求めたもの |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Wed Jan 27, 2016 12:16 am 記事の件名: enhanced Na スペクトル |
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先にも書いたが、NaのMgに対する強度比が10-75%の場合をmainstoreamと呼び、その中でもNaが約60-75%の流星は、enhanced Na型と呼ばれている。あまり多くはなく、複数輝線がか見られるスペクトルの約4%しかない。このあたりは、判定が微妙で、ちゃんと測定したら別のタイプになる可能性もある。
スペクトルの数が少ないので、明るい流星も少ないが、スペクトルの赤みがかなり高い
説明: |
spo -0.7
spo 0.3
STA -0.5 -1次を反転 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Thu Jan 28, 2016 11:57 pm 記事の件名: Na- rich スペクトル |
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NaのMg+Naに対する強度比が75%以上のスペクトルの場合、Naリッチ型と呼ばれている。
非常にまれな流星で、私の場合、割合は全スペクトルの2%程度しかない。しかし、明るいものも出現する。
画像の上の流星はNaの輝線が強く他は、鉄のスペクトルで、Mgはほとんど見えない。速度はとても遅い散在流星。
下のスペクトルは、左側の部分が2次のスペクトルで1次のスペクトルはNa以外ほとんど写っていない。上のスペクトルとはかなり印象が異なるが、やはりNaとFeの輝線しかない。
さすがにこのくらいNaが強いと0次のスペクトルもオレンジ色になっている。
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sat Jan 30, 2016 12:02 pm 記事の件名: GEM スペクトル |
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前田です。
以前話題になったふたご群(GEM)のスペクトルをまとめてみた。2015年はとにかく天気が悪く、数が撮れていない。整理して群判定をやり直した。
明るい順に並べてみると、偶然かもしれないが明るい流星でNaが強く、暗い流星でNaが弱くなり見えなくなった。(もちろん、比較するとMgの方が強い物が多い)
このくらいの数では、「ふたごのスペクトルにはNaの強度比にいろいろなタイプがある」という特徴はみえず、どれもよく似ている。
目視での分類ではNormal型が、スペクトルが2本以上見えるものの70%、スペクトルの撮れた群流星の28%だった。
説明: |
画像の上からの光度、ただし、0次の写っていないものは、スペクトル線からの判定。
-1.5
-1.0
+0.1 -1次を反転
+0.4 -1次を反転
-0.2
-0.6 |
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Mon Feb 01, 2016 10:58 pm 記事の件名: DLM スペクトル |
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前田です。
別のボードに書きましたが、J5_ComをIAUの決めたCOMと間違っていたので、1枚にまとめて再掲します。J5_Comは、DLM (12月こじし座流星群)に相当します。
1枚にまとめた方が、解像度少しは下がりますが見やすいと思いますが、いかがでしょう。
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前田
登録日: 2004.09.01 記事: 2754 所在地: Miyazai JAPAN (E131.4, N31.8)
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日時: Sat Feb 06, 2016 8:32 am 記事の件名: ORI スペクトル |
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前田です。
以前、このボードにはHDのORIのスペクトルを載せましたが、こちらは4Kからの静止画像です。上から3枚目は薄雲の中でピントが悪いように見えます。
Oの557nmの禁制線が暗い流星にもはっきり見えるのが特徴です。NaとMgの強度はほぼ同じか、感度を考えると少しNaが強いことがあるようです。上から2枚のNaのライトカーブがMgに対して少し短いように見えます。
説明: |
上から順の明るさ
-1.2
-1.5
-2
-0.9 |
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