SonotaCo.JP

[さぎたりうす]

ここ数日スピカの少し南方で群活動と思われるものが見られます。
月末に出るHVIと位置は近いですが、時期がかなりずれています。
判定はSpoです。MDCの方はまだチェックしていません。
過去数年遡ってみましたが、同じような活動は見られませんでした。
アンチへリオンの一部のようですが明らかに集中しています。
取り急ぎ速報です。

[藤原康徳]

さぎたりうすさんご指摘の群活動はIAU 651 68 Virginids (OAV)だと思います。

Global Meteor Network（GMN)のデータの速報？でも輻射点の集中ががみられ、OAVの活動とされています。

IAU MDCでOAV(651）を調べてみると、Jenniskens et al.(2016)とともに昨年司馬さんがWGNに発表された論文が引用されています。
Shiba Yasuo, Jupiter Family Meteor Showers by SonotaCo Network Observations, WGN,50:2 38 (2022)

極大太陽黄経　18.5度　輻射点　赤経=201.7度　赤緯=-14.2度　地心速度(Vg)=27.0 km/s

司馬さんからのコメントをお願いしたいところです。
　

[ts007]

私も、さぎたりうすさんご指摘の群活動はIAU 651 68 Virginids (OAV)だと思います。実は、4月4日の火球が、https://sonotaco.jp/forum/viewtopic.php?t=5379　この群と判定されています。また、meteornewsでNASA Meteor ShowerPortalでhttps://meteorshowers.seti.org/活動の様子が見られます。母天体候補は、2020FO５で軌道要素からでは１１月20日にも１０月の乙女群として活動しているはずです。

[司馬康生]

[さぎたりうす]

皆さん、ご教示ありがとうございます。
過去数年は遡って見たのですが、今年を含めて5年分を見たので2018年まで及びませんでした
周期的な出現をする群なのですね。
年によって結構捕らえられているのですがJ14カタログには入っていないんですね。

[上田昌良]

2023年4月のおとめ座68流星群(OAV)のまとめ
　　報告：上田昌良

はじめに
この流星群の活動は、最初にさぎたりうす氏が気づき、ここのフォーラムに書き込んだ。さらに、司馬康生氏は、OAVの出現が3.5年周期で活発になると指摘し、さらにLVI,　#49と南北群を形成していると指摘していた。
以上で十分なのだが、速報値は観測報告の一部を使っているだけなので、観測報告の全データを使ってOAVの全容をまとめておくと何かと便利なので、それを実行した。

略号OAVは変？
　この流星群の名称は、IAUの流星群リストによると、#651、 68 Virginidsで略号がOAVとなっている。これではどう名称を略してもこの略号にならない。それで調べ手みると、この群は以前に名称October alpha Virginids、#651、略号OAVを使っていた(2018)。その後、名称を68 Virginidsに変更され、略号は変更せずにそのままになっている。それで正式名称と略号の不一致が生じているのだった。

まとめの結果
　OAVの同時流星は、2023年4月3日から4月12日(UT)の間に24個が得られた。このOAVの同時流星の輻射点分布はFigure1に示した。図では、OAV流星の輻射点がよく集中しており、同時流星24個の内、4月9日UTに7個、10日UTに8個が集中していた(Table1参照)。OAV同時流星の太陽黄経に対する輻射点位置と速度をFigure 2から4に示した。今回、OAVは4月9日と10日に集中して出現しており、長期の輻射点の日々移動量が精度よく決定できなかった。
　このOAV同時流星の平均継続時間が1.4秒で、平均経路長も40.9kmと他の群流星よりも長いという特徴がある(Table 2 参照)。このような長い流星が見られるのは楽しみだ。
　4月において、おとめ座に輻射点があるOAVの流星群が活動するのは、今後も注目したいものだ。