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上田昌良
登録日: 2005.02.07 記事: 3297 所在地: 大阪府
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日時: Fri Jan 29, 2010 1:06 pm 記事の件名: Re: 2010/01/13 02:54:05 低速長経路流星 まとめ |
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低速長経路流星(2010年1月13日2:54:05JST出現)の軌道
報告:上田 昌良
1.概要
標記の-3.9等(絶対光度)の流星が出現した。この流星は初速(写り始めの点)での速度が14.0km/sと遅い速度で、突入角が3°という浅い角度で地球大気に突入してきた。消滅点(写り終わりの点)の高さが50.7kmとあまり低くならなかった。これは突入角が小さかったためであろう。長野県で撮影したMasuzawa氏の3台のワテックカメラの動画では、写った実経路長は計算から約200kmとの長さであり、21秒間という長い継続時間で流星が写っていた。その天球上の飛跡は121.8°に達する超長経路の流星であった。
2.撮影状況
撮影は、斉藤直也氏(東京都)とMasuzawa氏(長野県)の2カ所であった。斉藤氏の所では、速度が遅かったためか流星の動画が保存されずに、静止画のみが保存された。これでは通常のUFOAnalyzerV2ソフトが使えなかった。(もちろん、SonotaCo氏は静止画でも測定できるように改良をされました。)それで、今回は、昔のフィルム撮影の写真からの位置測定法を使った。現在、それに利用できるのはAdobe Photoshopソフトである。このソフトでXY座標の位置を測った。ここで写っている背景の星座名が必要なので、撮影者の斉藤氏に教えていただいた。一方、Masuzawa氏の動画は、3台のワテックカメラで撮影されており、北西のm4と天頂のm7は、UFOAnalyzerV2での位置測定の各フレームを使って軌道計算ができた。しかし、南東m7のデータからはうまく速度が出せなかった。これはM20100113_025419_Nagano1_m6A.XMLの中身が同じフレームNo.が2つずつあり、1つのフレーム位置を削除して軌道計算をしても、やはり速度がうまく決定できなかった。これはMasuzawa氏によると途中で流星が分裂をしている、ということであった。再度測定の必要があり、その動画を私まで送付していただくことにした。m6の動画の位置測定は、手動で測定することにした。RBAviMeteorというソフトで1フレームずつ、流星のXY座標と輝度総和を241フレーム測った。気の遠くなりそうな作業であったが、消滅点付近の速度を決めたかったという情熱が勝っていたのでできたのだろう。このとき自動で測定できるUFOAnalyzerV2ソフトが神様・仏様に思え、ありがたいソフトだと思えた。
3.輻射点
2地点の同時流星となったので、計算をして輻射点をだしてみた。輻射点を決定するのにMasuzawa氏のデータは発光点側が写っているm4(M10009)を使い、斉藤氏のとの組み合わせから決定した。輻射点位置は、表のとおりであるが、天頂引力のため、観測できた視輻射点は修正輻射点より25.2°も浮き上がって見えていた。修正輻射点より、この同時流星は散在流星であった。しかし、Masuzawa氏は、この同時流星が小惑星2010 AL30との関連がないのかどうかとの意見をだした。ちょうどこの小惑星は1月13日に地球に接近する日と重なりこの小惑星からの関連流星群かどうかを調べる必要性がでてきた。小惑星2010 AL30からの予報輻射点(修正輻射点)は、次のようになった(上田計算)。
流星出現時2010-1-13, 2:54JST λ292.28°α121.3°δ+8.3°Vg9.7km/s
予報輻射点位置は、
λ293.1°(2010-1-13, 22hJST),α121.7°δ+8.2°Vg9.7km/s
λ147.2°(2010-8-20, 20hJST),α144.2°δ+24.2°Vg9.6km/s
このように2カ所でのツインシャワーとなる。
この予報値から同小惑星と今回の同時流星は関連がないこととなったが、関連があってほしい思いは強かった。
4.流星の分裂
今回の同時流星は、発光点(写り始めの点、実際は流星経路の途中から撮影が始まっていた)が富山県魚津の上空で、消滅点(写り終わりの点)が静岡県南部町の上空であった。Masuzawa氏のところからは、流星の最大光度になった点までの距離が99.7kmと近かったので、この流星の分裂が明確に撮影できていた。それによると、1回目の分裂は、高さ55.5km付近で起こり、1個の分裂片がだんだんと離れていき、さらに2個に分裂した。2回目は、高さ53.2km付近で起こり、3回目は高さ51.2km付近で起こった。
分裂と光度曲線の関連を見てみたが、分裂した地点で増光していなかった。この同時流星の光度変化は、高さ53.6kmで急激な減光がみられるが、これはこの地点から測定ソフトを変えたことによる差がでてしまった可能性がある。
5.速度
同時流星の速度は、各フレームごとのばらつきが大きかったが、図のように速度の減速がみられた。発光点での速度は14.0km/sであった。継続時間が21秒と長く速度も遅いことから人工衛星とも考えられたが、今回のものは流星であった。消滅点付近での速度のばらつきが大きいが平均値で、速度8.3km/sとなり、この速度でも流星が光っていた。光らなくなる限界の速度とはどれぐらいなのであろうか。
6.謝辞
今回の同時流星のまとめをするにあたり、斉藤氏とMasuzawa氏に撮影データや画像などを提供いただき、また、いろいろな問い合わせにも答えていただことに御礼もうしあげます。
編集:消滅点の地名を訂正しました。
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速度の減速がみごとに出ている。
私は、これを見て感動しました。 |
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| 3台のカメラの計算結果の実経路がどうしてもうまくつながらない。真ん中のm7も分裂しているので、計り直しを、しかし、685フレームもあるので、あきらめました。 |
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最終編集者 上田昌良 [ Sun Jan 31, 2010 4:25 pm ], 編集回数 1 回 |
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上田昌良
登録日: 2005.02.07 記事: 3297 所在地: 大阪府
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日時: Fri Jan 29, 2010 11:35 pm 記事の件名: Re: 2010/01/13 02:54:05 低速長経路流星 (分裂の画像) |
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Masuzawaさんの撮影された流星の分裂の画像を掲載します。
これは、同氏の許可を得まして掲載するものです。
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上田昌良
登録日: 2005.02.07 記事: 3297 所在地: 大阪府
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日時: Wed Mar 03, 2010 10:48 am 記事の件名: Re: 2010/01/13 02:54:05 低速長経路流星 まとめ |
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今回の低速長経路流星と小惑星2010 AL30の関連ですが、
小惑星2010 AL30が地球に接近後の軌道を中野さんに計算をしていただきました。
その軌道から、流星輻射点の予報値を計算しましたら、接近前と同じ値でした。
これで、今回の低速長経路流星は小惑星2010 AL30と関連がなかったことが確定しました。
しかし、世界的な権威者である中野主一さんにメールでたづねるときは、心臓がパクパクでした。接近後の軌道につきましての公開はしていいのかわかりません(軌道改良をいつまでされるのかなど)ので、ここではしません。
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